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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
スモールスタートとは、小さく始めて育てる進め方です。
ところが、会員制度は全部そろえてから始めがちです。
実は、そろうのを待つあいだ名簿は増えません。
むしろ、入口だけ先に開けるほうが早く育ちます。
今日は、不二家洋菓子店の会員サービスの話です。
そして、小さな会社が始める順番をお伝えします。
まず、結論を先にお伝えします。
スモールスタートは、足す順番を決める設計です。
スモールスタートで始まった不二家の会員サービス
2026年9月29日、株式会社不二家が発表を出しました。
洋菓子店のWEB会員サービスを始めるという内容です。
そして、名前は「PEKO SMILE CLUB」といいます。
リリースには、こう書かれています。
全国の不二家洋菓子店では、お客様に不二家洋菓子店でのお買い物をより便利に、より楽しんでいただくため、新たなWEB会員サービスを2026年9月29日(火)より開始します。
出典:株式会社不二家 プレスリリース(2026年9月29日)
ただし、始まった時点の中身は多くありません。
具体的には、クーポンとモバイルオーダーの2つです。
始まった時点で用意したのは2つだけ
まず、全国の店で使える会員限定クーポンです。
また、新規登録の特典は3つ用意されました。
たとえば、税込2,000円以上で使える200円の券です。
さらに、税込1,000円以上で使える100円の券もあります。
加えて、バウムクーヘン1個のプレゼントです。
なお、期限はいずれも2026年12月末日までです。
つまり、大きな値引きではありません。
むしろ、年末までにもう一度来る理由になっています。
モバイルオーダーは5店舗からのスモールスタート
次に、待たずに受け取れるモバイルオーダーです。
しかし、こちらは全店で始めたわけではありません。
対象5店舗にてモバイルオーダーシステムの導入を開始します。
出典:同リリース
実際、開始は2026年10月1日でした。
そして、対象は数寄屋橋店など5つの店舗です。
つまり、新しい仕組みは小さく試しています。
そのうえで、全国の店舗へ順に広げる計画です。
ポイントとアプリは9か月ほど先に置いた
では、ポイントやアプリはどうしたのでしょうか。
実は、発表に時期つきで書かれていました。
まず、2026年10月下旬以降にLINEと連動します。
次に、2027年1月以降に対象の店舗を広げます。
そして、2027年7月上旬以降が次の段です。
ここで、ようやくポイント制度が登場します。
お得なポイント制度など、会員向けサービスを大幅に拡充予定
出典:同リリース(2027年7月上旬以降より順次)
さらに、オリジナルアプリも同じ時期の予定です。
つまり、開始から9か月ほど先に置かれています。
なぜ10月1日だったのか
ここからは、私の読み方です。
実は、10月1日はもう1つの開始日でもありました。
というのも、クリスマスケーキの予約が始まる日です。
そして、お渡しは12月20日から25日になります。
つまり、1年でいちばん人が集まる季節の入口です。
だからこそ、スモールスタートを選んだと読めます。
もし、ポイントの完成を待っていたとします。
すると、この季節を名簿なしで見送ることになります。
全部そろえてから始める順番が続かない理由
では、なぜ全部そろえる順番は続かないのでしょうか。
それは、準備のあいだ名簿が1人も増えないからです。
たとえば、ポイントの設計に半年かけたとします。
すると、その半年のお客様とはつながれません。
しかも、作り込んだ機能が使われないこともあります。
その結果、手直しにまた時間がかかります。
これに対して、同社は進め方をこう書いています。
そこには、段階という言葉が入っていました。
会員向けの機能や特典を段階的に拡充してまいります。
出典:同リリース
手順1 いちばん人が集まる日を決める
まず、1年でいちばんお客様が集まる日を書きます。
たとえば、母の日、お歳暮、新商品の発売日です。
そして、その日から逆算して開始日を決めます。
だからこそ、スモールスタートには締切が要ります。
手順2 スモールスタートの入口は登録とクーポン
次に、入口は登録とクーポンだけで開けます。
この店も、最初の特典は3つのクーポンでした。
もっとも、小さな会社なら1つで十分です。
たとえば、次回に使える送料無料の券で足ります。
手順3 新しい仕組みは一部で試す
また、新しい仕組みは一部のお客様で試します。
この店は、モバイルオーダーを5店舗で始めました。
たとえば、通販なら常連の方20人からで結構です。
そうすれば、不具合が小さいうちに直せます。
手順4 あとで足すものを時期つきで伝える
さらに、あとで足すものを先にお知らせします。
そのとき、時期を一緒に書くのがコツです。
なぜなら、待つ理由がお客様に伝わるからです。
実際、この店は3つの時期を発表に載せました。
手順5 ポイントやアプリは名簿のあとに足す
最後に、手間のかかる仕組みはあとから足します。
つまり、名簿ができてからポイントを考えます。
なぜなら、使う方の顔が見えてから作れるからです。
そのため、作り直しの手間が少なくて済みます。
数字で見る、不二家のスモールスタート
ここで、今日の数字を並べておきます。
いずれも、会社が公表している内容です。
まず、会員サービスの開始は2026年9月29日です。
また、モバイルオーダーは10月1日に5店舗で始まりました。
次に、新規登録のクーポンは200円と100円です。
そして、期限は2026年12月末日までとなっています。
さらに、LINEとの連動は2026年10月下旬以降です。
加えて、ポイント制度は2027年7月上旬以降の予定です。
完成してから売る直線から、一緒に育てる同心円へ
まず、直線は完成してからお客様を呼びます。
そのため、始まるまで声を聞くことができません。
これに対して、同心円は途中からお客様が加わります。
使った方の声で、次に足すものが決まります。
つまり、スモールスタートは手抜きではありません。
お客様と一緒に育てるための順番です。
そして、これが100日ファン化計画の土台になります。
登録からの100日で、次の一歩を一緒に歩きます。
まとめ|スモールスタートは足す順番の設計
最後に、今日の要点をまとめます。
スモールスタートは、小さく妥協することではありません。
まず、いちばん人が集まる日を決めます。
次に、登録とクーポンだけで入口を開けます。
そして、あとで足すものを時期つきで伝えます。
これだけで、名簿は準備のあいだにも育ちます。
つまり、完成してから売る直線から離れます。
一緒に育てていく、同心円ファネルへ移ります。
そして、いつもの一言で締めます。
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