STP分析をフェルミ推定などで数値化できる

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

ビールのそよ風がヒットした理由を
マーケティング上の一般的な経験則や、類似する事例への推定を示す仮説を考えてみました。
よって、「そよ風」という製品固有の実証データではありません。

ただし、コンサルティングやマーケティング理論、実務上のナレッジから、ロイヤリティ予備軍を10%と仮定する際の背景として、このような考え方や事例参照が可能です。

事実、大学の授業の流通論でやっています。

パレートの法則(80:20の法則)の応用から考える
消費者マーケットでは、しばしば20%の顧客が売上の80%を支える
というようなパワー・ローが見られます。

この考え方をロイヤリティ形成の初期フェーズに当てはめると、
初期購入意欲者の中でも、比較的熱心な層は
さらにその中の20%以下となる傾向があると考えられます。

ここで10%という値は、20%からさらにロイヤリティ形成条件
を絞った結果として示せる保守的な目安値です。

ブランドロイヤリティ形成に関する一般的指標とは
一般論として、新製品・新ブランドが市場に投入され、初期段階で認知から試用、
そしてファン化(ロイヤル顧客化)への転換率は非常に低い傾向があります。

何十万、何百万人に認知されても、継続的な購入や明確な支持を示すロイヤル顧客は、
その認知・試用人口のごく一部に留まるケースが多いです。

スタートアップ企業や新ブランド立ち上げ時のコンサルティング事例では、
初期ターゲット層からの長期ロイヤリティ維持は
数%から十数%程度が現実的なラインとする経験則がしばしば用いられます。

類似カテゴリーでのベンチマーク事例としては、
ノンアルコール飲料や機能性飲料市場の新製品投入時の消費行動データから、
試飲者のうちブランドへの明確な愛着や買い置き行動
に移行する率は10%前後とするケーススタディがあります。

例えば、ある健康茶ブランドが新発売された際、
初期試飲者100万人規模に対して、
発売後半年で定期購入プログラムに参加したユーザーが
約8~12%程度だったという事例がマーケティングリサーチの中で
報告されることがあります。

ただし、実際の数値は、社内データや非公開ケースが多いため、一般には明示しづらいものの、
実務経験者間ではある程度共有されている目安値として考えてください。

定性調査(グループインタビュー)やNPS(Net Promoter Score)調査などを
重ねた結果、新規顧客の中で熱心な推奨者になりうる層が約1割程度だったとする指標も、
マーケティング界隈では耳にする値です。

消費者行動モデルからの抽出からは、
AIDMAやAISASといった消費者行動モデル、
そして最近のカスタマージャーニー分析では、
新製品を「認知→興味→試用→評価→ロイヤリティ」へ
と導く過程で、ステップごとに顧客が離脱していきます。

認知者数を100とすると、実際に購入まで至るのがその中の10~30程度が大手の
ヒットブランドの移行値になります。

継続購入でロイヤリティ形成までいくとその中の10~20%程度
つまり最初の認知者の1~5%程度にまで絞られるという
トンネル効果が確認されることもあります。

ここで初期関心層からロイヤリティ形成まで10%程度というのは、
こうしたステップごとの脱落率を踏まえた妥当な推定値といえます。

STP分析をフェルミ推定などで数値化できると面白いですよ!

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。