開封体験を「初デート」に変える設計手順とは

開封体験を「初デート」に変える設計手順とは

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

D2C通販のリピート率を底上げするには、同梱物カスタマイズによる開封体験の設計が欠かせません。
同梱物は開封率ほぼ100%という稀有な接点で、F2転換とLTV向上に直結します。

本記事では、ネットショップ担当者フォーラム+うちでのこづちの一次情報をもとに
初回同梱物の5点セットと最小単位の3点設計を、ファネル設計士の視点で解説します。

D2C通販の現場で、広告を回しても利益が残らない、という相談を最近たくさん受けます。
その多くは、新規獲得後の「初デート」が設計されていない、というケースです。

ここでいう初デートとは、初回購入者が商品を受け取り、段ボールを開ける、あの一瞬のことです。
本記事では、リピート率と開封体験を引き上げる同梱物カスタマイズの設計手順を、一次情報に基づいてお伝えします。

同梱物は、なぜ広告より強い接点になり得るのか

通販における顧客接点は、大きく分けてオンラインとオフラインの2系統があります。

オンラインは、広告・メール・SNS・LPなど、デジタルな接点です。
オフラインは、商品そのものと、その商品に同封される「同梱物」が中心です。
このうち、同梱物は他のどの接点とも違う、特殊な性質を持っています。

同梱物のメリットとして、お客さんの目に留まりやすいことが挙げられます。メールマガジンの配信では、そもそも開封されないことが多いですが、商品を配送する際に同梱物を入れることで、目にする可能性がグンと高まります。商品開封時は顧客の興味関心が高いという事もメリットの1つと言えるでしょう。

出典:うちでのこづち(株式会社E-Grant)「LTVがぐんぐん伸びる!同梱物でEC通販の売上アップを狙う最強鉄板施策」/ https://www.uchideno-kozuchi.com/lab044/

──開封率がほぼ100%に近い、というのが同梱物の本質です。

広告は素通りされ、メールは迷惑メールに振り分けられ、SNS投稿は流れていきます。
その中で、商品の箱を開ける瞬間だけは、顧客の手と目と意識が、こちらに向いている。

この一瞬を、納品書1枚で終わらせるか、初デートに変えるか。
ここがリピート率を分けます。

デジタル時代だからこそ、同梱物が忘れられている

この問題意識は、業界の第一線でも共有されています。

単品通販の世界ではオフラインの時代から同梱物の文化があり、LTV向上に寄与してきた。しかし最近のD2C(ネット通販)のデジタルマーケターはテクノロジーに依存し、昔ながらの単品通販会社が蓄積してきたオフラインのノウハウや紙媒体を軽視しがちだ。

ネット全盛の今も、同梱物はLTV最大化に貢献する重要な存在であることに変わりはない。ズバリ、同梱物を改善するだけでLTVは劇的に上がる!!

出典:ネットショップ担当者フォーラム(インプレス)
加藤公一レオ「デジタルマーケターは『同梱物』を軽視し過ぎる! D2C(ネット通販)のF2転換率とLTVを劇的にアップさせる5つの同梱物とは」2022年10月5日/ https://netshop.impress.co.jp/node/10169

──ここに、CPA高騰時代の本質的な処方箋が書かれています。

新規広告を増やすのではなく、すでに買ってくれたお客さまとの最初の接点を、もう一段だけ丁寧にする。

それだけで、F2転換とLTVは底上げされます。

初回同梱物の5点セットを、なぜ「全部入れる」のか

ここからが具体論です。

加藤氏が提示する、初回同梱物の鉄板構成は5点です。

モニター商品申込みから本商品の定期コース(サブスク)に引き上げるための、最強の初回同梱物セットは以下の通りだ。ポイントは以下のどれかではなく、5種類をすべて入れることである!!

① 挨拶状(手書きまたは手書き風がベスト) ② ブランド/商品BOOK(ブランドコンセプト、商品のこだわり、品質保証、研究成果) ③ 使い方・飲み方、お手入れガイド ④ キャンペーンチラシ(本商品の定期コースに引き上げるためのお得なキャンペーン) ⑤ お客さまの声(理想は顔写真、氏名、年齢、居住地が入っているもの)

出典:ネットショップ担当者フォーラム(インプレス)/加藤公一レオ「デジタルマーケターは『同梱物』を軽視し過ぎる!」2022年10月5日/ https://netshop.impress.co.jp/node/10169

──「どれか」ではなく「すべて」、という配置に意味があります。

・挨拶状で、ブランドの誠実さを伝える。
・ブランドBOOKで、世界観と研究背景を伝える。
・使い方ガイドで、効果実感を約束する。
・キャンペーンチラシで、定期コースへの動線を作る。
・お客さまの声で、継続している人の幸福を見せる。

この5点が揃って初めて、初デートが成立します。

加藤氏はさらに、
「上手な会社はこの初回割引の案内をハガキにして、すぐ投函できるようにしている」
「ネットユーザー向けには、引き上げ専用のランディングページのURLとQRコードを入れておくといい」
と具体的に指摘しています。

ここがアナログとデジタルのハイブリッド設計の入口です。

数字で見る、同梱物カスタマイズの効果

「で、実際に数字は動くのか」という質問は、現場でもよくいただきます。

3社のテスト結果が、参考になります。

「お客様の声」は継続率に影響があり、同一商品の3カ月間における平均継続回数が「2.3回→2.6回」と13%引きあがりました。

出典:うちでのこづち(株式会社E-Grant)「LTVがぐんぐん伸びる!同梱物でEC通販の売上アップを狙う最強鉄板施策」(E-Grant社の自社テスト発表事例として)/ https://www.uchideno-kozuchi.com/lab044/

──3カ月の平均継続回数が13%引き上がる、というのは大きな変化です。

さらに、使い方ツールについても次のように報告されています。

『使い方ツール』で、正しい使用量と使用方法を伝える。これは商品を使うというアクションをしていただくために必要なツールです。「適量を使っていただけなかったために効果の実感ができなかった」や、「商品が余っているから次の購入を止めた」などのネガをキャンセルする役割を担います。
効果として「継続回数が1.9回から2.3回にまで引きあがる」など、CRMにおけるコミュニケーションコンテンツとしてかなり重要なことが伺えます。

出典:うちでのこづち(株式会社E-Grant)「LTVがぐんぐん伸びる!同梱物でEC通販の売上アップを狙う最強鉄板施策」(E-Grant社の自社テスト発表事例として)/ https://www.uchideno-kozuchi.com/lab044/

──「効果が実感できないから解約する」「商品が余るから解約する」というネガティブな理由を、紙1枚で先回りして潰せる、ということです。これは購入後CXの設計そのものです。

今日から動ける一手は、最小単位の3点セット

5点全部を一気に整えるのは、現場の実情として難しい場合があります。

そこで、立ち上げ期や見直し期に取り組むべきは、次の3点に絞った最小単位の同梱物設計です。

第1に、A4ペラ1枚の「挨拶状」を、社長または担当者の顔写真と手書き風メッセージで作ること。

第2に、商品の正しい使い方を、絵か写真つきで1枚にまとめた「使い方ガイド」を入れること。

第3に、継続購入されているお客さまの声を、できれば顔写真と手書きコメントつきで、A4両面に5〜6名分まとめること。

この3枚があるだけで、初回購入者の体験が、「事務的な発送」から「ブランドからの初デート」へ変わります。

入れすぎには注意が必要です。

顧客に見てほしいからと同梱物を入れすぎると逆効果になる可能性があります。コストが重なり、利益率が低くなってしまうことも考えられますが、販売者の伝えたいことが分からなくなるといったデメリットも存在します。

出典:うちでのこづち(株式会社E-Grant)「LTVがぐんぐん伸びる!同梱物でEC通販の売上アップを狙う最強鉄板施策」(E-Grant社の自社テスト発表事例として)/ https://www.uchideno-kozuchi.com/lab044/

──「全部詰め込む」ではなく、「絞って研ぐ」が、同梱物カスタマイズの基本姿勢です。

まとめ

同梱物カスタマイズは、開封率がほぼ100%という稀有な物理的接点を、F2転換とリピート率の引き上げに転換するためのCRM設計です。

初回5点セットを揃え、それぞれが「初デート」の役割を果たすように配置する。
最小単位なら、挨拶状・使い方ガイド・お客さまの声の3枚から始める。

ここを設計し直すだけで、広告費を増やさずにLTVが伸びる、というのが本日の本筋です。

関連記事として、F2転換率の引き上げ設計や定期解約理由TOP3への先回り設計についても
過去の発信で詳しくお伝えしています。

合わせて読んでいただけると、購入後CXの全体像がより立体的に見えてきます。

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・ネットでスタートしているので紙媒体の同梱物の制作の作り込みが甘い
・カスタマージャニーが完結されていないのでリピート率が上がらない
・CRMにビッグデータ・AIを活用していないので自社の商品を買う事が前提で組んでいる
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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。