ナラティブを生み出す「時間・場所・心理」の設計法

ナラティブを生み出す「時間・場所・心理」の設計法

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

情景とは何か?

ナラティブがうまく書けないと感じる方の多くが、
文章力が足りないのではないか
センスがないのではないかと思いがちです。

しかし実際は違います。
ナラティブは感性ではなく、構造でつくることができます。

その出発点になるのが、情景です。

では、情景とは何でしょうか。
情景とは、
・時間
・場所
・心理
この3つが揃った“一枚の静止画”です。
私がイメージしている表現で恐縮です。

ここで重要なのは、ストーリーではなく、
あくまで「瞬間」を切り取ることです。

起承転結は必要ありません。
理由や解説もいりません。
ただ、その瞬間を固定カメラで写すだけのイメージです。

多くの人がつまずく理由は、抽象的に書いてしまうことです。

たとえば、
・仕事で疲れている
・将来が不安で落ち着かない

これは状態説明です。映像が浮かびません。

一方で、
21時、コンビニの駐車場でエンジンを切らずにスマホを見続けている

と言われると、どうでしょうか。
時間が見え、場所が限定され、人物の状態が自然に想像できます。これが情景です。

まず一つ目の要素は時間です。

単に「夜」では弱いです。
「23時17分」や「日曜の16時、夕日が傾き始めたころ」など、
時計が写り込むレベルまで具体化すると、物語は自然に動き出します。
時間は空気を決める装置です。

二つ目は「場所」です。

「家」ではなく、「6畳のワンルーム」「洗濯物が乾ききらないベランダ」
「蛍光灯が白く光るリビング」など、空間が限定されるほど、感情は立体的になります。

場所には匂いと温度があります。そこまで想像できるかがポイントです。

三つ目が「心理」です。

ここで最も大切なのは、抽象語を使わないことです。
「不安」「孤独」「焦り」と書いてしまうと、途端に説明になります。
代わりに、身体反応や動作で表現します。

「スマホを置けない」
「ため息を飲み込む」
「肩だけが重い」

このように、身体に落とすことで心理は可視化されます。

さらに完成度を上げるコツがあります。
それは、五感を一つだけ入れることです。

光(蛍光灯の白さ)
音(エアコンの低い唸り)
温度(指先の冷たさ)
匂い(洗剤の残り香)

どれか一つを入れるだけで、情景は一気にリアルになります。

たとえば、次のように書くことができます。
23時。リビングの蛍光灯だけが白く残っている。
ソファに沈み込みながら、右手の親指だけが光る画面を滑り続ける。
エアコンの低い音が響く中、まばたきの回数だけが増えていく。

ここには時間、場所、心理が揃っています。
説明はありません。
理由もありません。ただ瞬間が置かれているだけです。

ナラティブが書けるかどうかは、哲学の量ではありません。
まずは情景を描けるかどうかです。

情景が描けると、商品は自然に時間の設計へと進化します。

あなたの顧客は、今どこにいますか。
何時で、何を握り、どんな呼吸をしていますか。

それを一枚、書いてみてください。

ナラティブは芸術ではありません。設計技術です。
そして設計は、練習で必ず伸びます。

まずは今日、あなたの顧客の
「今この瞬間」を描くところから始めてみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。