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「売れないを売れるに変身させる」をテーマに
通販プロデュース業と通販専門のコンサルティング業
をメインに支援活動しています。
From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
ブランディングは「ロゴを変えること」ではなく、顧客が接する瞬間を再設計することです。
MEDULLAは2024年春の3度目のリブランディングで新規獲得5倍と継続率向上を実現しました。
本記事ではD2C通販がリブランディングで再起動する設計手順を、ファネル設計士の視点で整理します。
新規CPAは上がり続け、クーポンと値引きで延命している通販ブランドは少なくありません。
ただ、その対症療法で取り戻せるのは「短期の売上」だけで、「価格決定力」までは戻りません。
リブランディングは、価格決定力を取り戻すための再起動です。
本記事では、2024年春の3度目のリブランディングで新規獲得を5倍に伸ばした
MEDULLAの設計手順を、D2C通販が再現するための整理として書いていきます。
現状の課題|「初期ブランドのまま」が新規獲得を止める
ミニマム通販で立ち上げて5年走り切ったブランドが、ある日ふと新規獲得が伸び悩む。
このとき、多くのブランドは「広告クリエイティブの問題」「LPの問題」と考えます。
ただ、MEDULLAの代表のコメントは、別の角度を示しています。
「MEDULLAブランドが始まって約5年(当時)。お客さまの層も当初とは変化するなかで、より現在のお客さまに親しみを感じてもらえるブランドにアップデートしたいと考えていました」
出典:AdverTimes.「D2Cヘアケアブランド『MEDULLA』がリブランディングで好調 顧客とブランドが接する体験をデザイン」/ https://www.advertimes.com/20241002/article475015/
[電通プロモーションプラス×Spartyのタイアップ記事として] 公開されたインタビューです。
ブランドを5年運営すれば、初期顧客と現在の顧客は別人になっています。
初期のブランド体験のままで止めていると、新しい顧客層には「自分のためのブランドではない」と感じさせてしまいます。
これが、伸びていたD2Cが鈍化する典型的な構造です。
なぜ今この課題か|「安売り」での延命は価格決定力を削る
新規CPAが上がり、利益を確保するためにクーポンや初回値引きを増やしている通販ブランドは多くあります。
ただ、ブランド体験そのものが古くなっていれば、価格を下げてもCVRは戻りません。
戻るのは、一時的な売上だけです。
MEDULLAのリブランディングで本質的に重要なのは、新規獲得数5倍よりも、次の一節です。
「冒頭の成果はもちろん、僕らにとっては『安売りせずとも売れるようになった』ことがとても大きいですね。今回つくっていただいたデザインをベースに広告も運用していますが、『MEDULLAの広告ってなんか心地良いよね』という声も業界やお客さまから聞こえてきています」
出典:AdverTimes.「D2Cヘアケアブランド『MEDULLA』がリブランディングで好調 顧客とブランドが接する体験をデザイン」/ https://www.advertimes.com/20241002/article475015/
リブランディングは、価格決定力を再構築する手段だと、はっきり示しています。
解決の方向性|「顧客が接する瞬間」から逆算する
MEDULLAのリブランディングは、ロゴ刷新やWebサイト刷新が起点ではありません。
最初に動かしたのは、顧客とブランドが直に接する瞬間でした。
そこでまずは、顧客とブランドが直に接する瞬間の体験をデザインしようと、外箱を含むパッケージを先行して考えていくこととなった。
出典:AdverTimes.「D2Cヘアケアブランド『MEDULLA』がリブランディングで好調 顧客とブランドが接する体験をデザイン」/ https://www.advertimes.com/20241002/article475015/
具体的にやったのは、4つの動きです。
ひとつ目は、シャンプーのボトルをすりガラス調から透明に変更。
中身のカラフルな液色が見えることで、パーソナライズの価値を視覚化しました。
ふたつ目は、トリートメントボトルを使い切りやすいチューブ型に変更。
最後まで使い切れる体験は、リピート率に直結します。
3つ目は、購入者の名前をボトル及びチューブに印字するパーソナライズの仕組みの導入。
「自分のためだけのブランド」という感覚を、物理的な体験として渡しました。
4つ目は、WEB髪質診断のアップデート。
ユーザーの髪質やお悩みに応じた製品を診断できる「WEB髪質診断」もアップデート。「より実際のカウンセリングのような体験設計となるように意識しました」
出典:AdverTimes.「D2Cヘアケアブランド『MEDULLA』がリブランディングで好調 顧客とブランドが接する体験をデザイン」/ https://www.advertimes.com/20241002/article475015/
ブランド側の独白ではなく、カウンセリングのような体験へ。
ここまでくると、リブランディングは「見た目を整える作業」ではなく「ファネル全体の再設計」になります。
今日から動ける一手|接点5箇所の棚卸しから始める
明日からあなたのブランドで動かせる一手は、次の3ステップです。
1.顧客がブランドに最初に触れる5つの接点(広告/LP/カート/開封/同梱物)を、紙に書き出す。
2.それぞれの接点で「初期顧客向けのままになっている要素」を1つ以上書き出す。
3.1番安く、1番早く変えられる接点(多くの場合は同梱物かサンクスカード)から手をつける。
リブランディングはコンサル会社に依頼する大型プロジェクトではなく、明日から始められる行動に変えられます。
拙著『伝説の通販バイブル』では「お客様第一の関係性を育てること」を
通販の本質として整理していますが、MEDULLAの再起動はその実装例として読めます。
ブランド側の都合ではなく、顧客がいま接する瞬間から再設計する。
これが、CPAでもクーポンでもなく、新規獲得を5倍に動かしたレバーです。
まとめ|リブランディングは「価格決定力」を取り戻す再起動
リブランディングはロゴを変えることではなく、顧客が接する瞬間の体験を再設計することです。
MEDULLAは2024年春の3度目のリブランディングで、新規獲得数がリニューアル前の5倍となり、
継続率も向上し、「安売りせずとも売れる」状態を取り戻しました。
ファネルの言葉で言えば、リブランディングは
「見込み客→新規顧客→継続顧客」という階段の手すりを、すべて握り直す行為です。
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