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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
購入障壁とは、欲しいと思ってから買うまでの迷いです。
つまり、お客様の中に残った小さな不安のことです。
では、売れない理由はどこにあるのでしょうか。
実は、値段や商品力とは限りません。
今日は、不安を1つずつ消した売り場の話です。
しかも、そこではコンバージョン率が約3倍でした。
まず、結論を先にお伝えします。
値段を下げる前に、お客様の不安を数えてください。
購入障壁とは何か、いま何が起きているのか
購入障壁は、会社の中からは見えにくいものです。
なぜなら、毎日商品を扱う人ほど迷わないからです。
そこで、2026年8月の発表を見ます。
Qoo10を運営する、eBay Japanの催しです。
Qoo10史上最大規模!全ジャンルの国内セラーを招待「Qoo10 Seller Conference 2026」を開催
出典:eBay Japan合同会社 プレスリリース(PR TIMES・2026年8月26日)
なお、開催日は2026年8月25日です。
会場には、約900人の出店者が集まりました。
さらに、Qoo10の会員数は3,000万人を超えます。
その場で、ある数字が紹介されました。
Qoo10限定・先行販売の「Q ONLY」は全体売上の約4割を占め、通常商品と比較するとコンバージョン率は約3倍
出典:ネットショップ担当者フォーラム(2026年9月24日)
つまり、「ここだけ」が迷いを消しています。
これも、購入障壁を1つ外す工夫です。
伸びた韓国ブランドは、不安を残さなかった
一方、私が目を留めたのは別の話です。
伸びた韓国ブランドの、共通点でした。
購入までの導線で不安を残さないことが重要
出典:同記事(韓国営業本部 キム・スア本部長)
たとえば、メイク用品のCLIOです。
色が自分に合うか、迷いやすい商品です。
そこで、カラーチャートを出し続けました。
さらに、肌での発色例も見せています。
また、季節ごとのメイク提案も続けました。
つまり、迷う理由に先回りして答えたのです。
購入障壁は、商品ごとに形が違う
次に、高価格帯のmedicubeを見ます。
こちらの不安は、色ではありませんでした。
実際、「使いこなせるのか」が1つ目です。
そして、「価格に見合うのか」が2つ目です。
そこで、商品改善と企画商品で答えました。
しかも、一度にではなく段階的にです。
一方、スキンケアのAnuaは悩みから入りました。
敏感肌や毛穴など、悩みの軸で伝えています。
したがって、購入障壁の形は商品で変わります。
ただし、答えを置く順番は同じです。
手順1 お客様の不安を10個書き出す
まず、お客様の不安を10個書き出します。
材料は、問い合わせと返品理由です。
また、カートで止まった商品も材料です。
低評価のレビューにも、不安が隠れています。
なお、書くときはお客様の言葉のままにします。
「サイズが合うか」のように、短く書きます。
手順2 購入障壁を3つの時間に分ける
次に、不安を3つの時間に分けます。
買う前、買うとき、買ったあとの3つです。
たとえば、買う前は「自分に合うか」です。
買うときは、送料や届く日が気になります。
そして、買ったあとは「続けられるか」です。
分けると、答えを置く場所が見えてきます。
手順3 いちばん多い不安に、答えを1つ置く
そのうえで、いちばん多い不安を選びます。
その不安に、答えを1つだけ置きます。
たとえば、色の不安なら色見本です。
使い方の不安なら、短い動画が効きます。
ちなみに、答えは1つずつで十分です。
一度に全部そろえると、続かなくなります。
手順4 買ったあとの購入障壁に、先に答える
さらに、買ったあとの不安にも先に答えます。
「使いこなせるのか」は、届いてから起きます。
そこで、届いた日の使い方を先に見せます。
困ったときの窓口も、ページに書いておきます。
つまり、買ったあとが見えると迷いが減ります。
その結果、買う前の購入障壁も小さくなります。
手順5 買う日を決めて、その前の90日を使う
最後に、買っていただく日を1つ決めます。
発売日でも、季節の切り替わりでも構いません。
実際、Qoo10の韓国ブランドもそうでした。
メガ割の前の3カ月を、接点づくりに使っています。
ですから、その90日に答えを少しずつ置きます。
売り込むのではなく、答えを届ける90日です。
なお、これは100日ファン化計画と同じ考え方です。
買う前の90日も、ファン化の一部になります。
数字で見る、購入障壁を外した売り場
ここで、今日の数字を並べておきます。
すべて、公表または報道された数値です。
まず、Qoo10の会員数は3,000万人超です。
カンファレンスの参加者は、約900人でした。
次に、Q ONLYは全体売上の約4割です。
コンバージョン率は、通常商品の約3倍です。
さらに、国内公式ブランドも伸びています。
売上成長率は、前年比47%と紹介されました。
ただし、数字の大きさは小さな会社と違います。
それでも、やっている順番は同じです。
値段を下げる前に、不安を数える
ここからは、私の読み方です。
売れないとき、私たちは値段に理由を求めます。
ところが、値段を下げると利益が減ります。
一方で、不安に答えても利益は減りません。
しかも、答えは一度置けば働き続けます。
値引きのように、毎回お金はかかりません。
だからこそ、先に不安を数えてください。
答えは、お客様の側に取りに行きます。
たとえば、既存のお客様に1問だけ聞きます。
「買う前に迷ったことは何でしたか」という問いです。
実際、この1問で出てくる答えは具体的です。
しかも、そのまま商品ページの見出しになります。
直線ファネルから、同心円ファネルへ
まず、安さで集めて押し込むのが直線です。
そのため、次も値引きがないと動きません。
これに対して、同心円は答えで広がります。
不安に答えるたびに、信頼が積み重なります。
さらに、答えをもらったお客様は人に伝えます。
同じ不安を持つ友人に、答えを教えてくださいます。
つまり、集めて売るの「集める」は不安です。
お客様の不安を集めることから、始まります。
まとめ|購入障壁は、値段ではなく不安です
最後に、今日の要点をまとめます。
伸びた韓国ブランドは、不安を残しませんでした。
また、Q ONLYのCVRは通常の約3倍です。
迷わせない工夫が、数字に表れています。
まず、お客様の不安を10個書き出してください。
次に、いちばん多い不安に答えを1つ置きます。
そのうえで、買う日の前の90日を使います。
それだけで、購入障壁は1つずつ外れていきます。
つまり、安さで押し込む直線から離れます。
不安に答え続ける、同心円ファネルへ移ります。
そして、いつもの一言で締めます。
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