TENTIALの複数カテゴリー購入率は18.4%|2026年8月期の決算資料に学ぶクロスセルの育て方

クロスセルとは|TENTIALの「複数カテゴリー購入率」は18.4%に。2026年8月期の決算資料に学ぶ、1つ目を気に入った方から2つ目が育つ設計

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

クロスセルとは、買ってくださった方に別の種類もご案内することです。
たとえば、パジャマを買った方に、布団もおすすめする流れです。

実は、このクロスセルについて考えさせられる資料がありました。
そこで、今日はその資料を一緒に読みます。

まず、私の考えを先にお伝えします。
クロスセルは、その場のひと押しではないと考えます。

なぜなら、2つ目は1つ目のお付き合いから育つ、と感じるからです。
そう考えると、名簿の役割も変わってきます。

TENTIALの決算資料に見るクロスセル

まず、取り上げるのはTENTIALの決算説明資料です。
なお、公表は2026年10月15日です。

TENTIALは、リカバリーウェア「BAKUNE」の会社です。
具体的には、眠るときに着る服を中心に売っています。

資料によると、2026年8月期の売上高は332億円でした。
しかも、前期比で71.3%増えています。

さらに、寝具の売上は約2.6倍になりました。
また、ワークウェアなどのその他も約1.8倍です。

その結果、主力の服以外の売上比率は17.6%になりました。
つまり、主力の次の柱が育っている会社の話です。

複数カテゴリー購入率は約1.8倍

顧客基盤が拡大する中で、「複数カテゴリー購入率」はFY2024/8から約1.8倍に上昇し、FY2026/8後半に伸びが加速
出典:株式会社TENTIAL「2026年8月期 通期決算説明資料及び中期経営計画「PoTENTIAL 1000」」(2026年10月15日)32ページ

ここで言う複数カテゴリー購入率には、注記があります。
具体的には、2023年9月以降に自社ECで初めて買った方が母数です。

そのうち、違う種類を2つ以上買った方の割合です。
たとえば、服と布団の両方を買った方が入ります。

グラフでは、2024年8月期の第1四半期は10.0%でした。
そして、2026年8月期の第4四半期は18.4%です。

クロスセルを支える46.5%という数字

RWの既存顧客によるクロスセルが成長を牽引し、顧客基盤を活かした新カテゴリー立ち上げの再現性を示す
出典:同資料 12ページ(RWはリカバリーウェア)

さらに、資料には46.5%という数字も載っています。
これは、その他の商品を買った方についての数字です。

具体的には、そのうちBAKUNE・寝具を買った経験のある方です。
つまり、半分近くがBAKUNE・寝具も買ったことのある方でした。

また、資料は打ち手として「CRM・クロスセル」を挙げています。
しかも、BAKUNE・寝具の顧客基盤を活かす、としています。

リピート売上高比率は40%超

リピート売上高比率は、新規顧客獲得が増加する2Q等に低下する傾向があるものの、FY2026/8は4Qにおいても40%を超過する水準まで上昇
出典:同資料 34ページ

ここで言うリピート売上高比率は、自社ECの数字です。
具体的には、2回以上買った方の売上が占める割合です。

なお、2026年8月期の第4四半期は41.1%でした。
つまり、売上の4割超が2回目以降の方から来ています。

なぜ、クロスセルに名簿が要るのか

ここからは、私の読み方です。
まず、今日の話は1社の決算資料です。

しかも、売上332億円の上場企業の話です。
ですから、小さな会社が同じことをできるとは言えません。

そのうえで、気になった数字があります。
それは、その他の種類を買った方の46.5%という数字です。

だとすると、2つ目が育つ土台の1つは1つ目のお客様だと考えます。
では、小さな会社は何でその方々を覚えておくのでしょうか。

拙著『売ってから、つくる!ミニマム通販バイブル』の書名のとおりです。
実際、私は小さく売ってから次をつくる順番を大切にしてきました。

その順番を支える道具が、名簿だと考えます。
私は、そう読みました。

では、クロスセルを名簿から育てる手順に移ります。
まず、ここからの手順は私からのご提案です。

手順1 買ってくださった方を見分ける

まず、1つ目を買ってくださった方を名簿で見分けます。
たとえば、メールアドレスか電話番号でお一人を見分けます。

なぜなら、同じ方が2行に分かれると数えられないからです。
ですから、名簿は1冊にまとめておきます。

ただし、名簿は個人情報としてていねいに守ります。
そのうえで、買った商品の種類を書き添えます。

手順2 1つ目の使い心地を伺う

次に、お届けから少し日をおいて使い心地を伺います。
たとえば、「お使いになって、いかがですか」の一言です。

つまり、売り込みではなく、お便りとして伺います。
なぜなら、2つ目は気に入っていただけてからで遅くないからです。

手順3 次に困っていることを1問だけ聞く

さらに、使い心地と一緒に1問だけ伺います。
それは、「ほかに困っていることはありますか」です。

実際、TENTIALは生活の場面ごとに商品の種類を分けています。
同じように、次の困りごとに2つ目の種が見つかるかもしれません。

手順4 2つ目は名簿の方に先にご案内する

そして、2つ目の商品ができたら、まず名簿の方にご案内します。
つまり、広告を出すのはそのあとです。

たとえば、少量から試していただき、声を伺います。
こうして、売ってから、つくる、の順番で広げます。

手順5 2種類以上の方の割合を数える

最後に、月に1回だけ数える数字があります。
それは、名簿の中で2種類以上を買った方の割合です。

たとえば、2種類以上の方の人数を、買った方の人数で割ります。
つまり、複数カテゴリー購入率の小さな版です。

なお、数えるのは月に1回で十分だと考えます。
なぜなら、続けられる数え方がいちばんだからです。

クロスセルは直線から同心円へ

ここからは、私の読み方です。
まず、直線では1つ売るたびに新しい方を探します。

その結果、2つ目を出すたびに広告で一から始めます。
しかも、1つ目のお客様に2つ目が届きません。

これに対して、同心円では1つ目のお客様と2つ目を育てます。
すなわち、お付き合いの中で次の商品が見つかるのではないでしょうか。

だからこそ、クロスセルでも「集めて売る」が要です。
私は、そう読みました。

ここは、私からのご提案です。
2つ目を、広告の先ではなく名簿の中で育ててみてください。

そして、その積み重ねが100日ファン化計画と重なると考えます。
また、伺うたびにお付き合いが深まると考えます。

まとめ|クロスセルは名簿の中で育てる

では、今日の要点をまとめます。
TENTIALの複数カテゴリー購入率は18.4%に上がりました。

また、その他を買った方の46.5%はBAKUNE・寝具の購入経験者でした。
そして、ここからの手順は私からのご提案です。

まず、1つ目を買ってくださった方を見分けます。
次に、1つ目の使い心地を伺います。

さらに、次に困っていることを1問だけ聞きます。
そして、2つ目は名簿の方に先にご案内します。

最後に、2種類以上の方の割合を数えます。
こうして、1つ目のお付き合いから2つ目を育てます。

1人の熱中が、100人の推し活を生む。
今日は、1つ目のお客様に伺う1問を書き出してみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。