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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
休眠顧客の中で、いちばん痛いのはどなたでしょうか。
答えは、よく買ってくださっていた方です。
まず、事実を申し上げます。
その方々は、黙って離れます。
しかも、クレームも解約理由も残しません。
つまり、社内には何の記録も残らないのです。
そこで今日は、この「優良休眠」を見つける方法をお伝えします。
ただし、大がかりな仕組みは必要ありません。
前提|休眠顧客には、2つの種類がある
休眠顧客は、ひとまとめに扱われがちです。
しかし、実際には性質のまったく違う2つが混ざっています。
まず、1回だけ買って離れた方。
この層は、そもそも関係が始まっていません。
一方、10回買って離れた方。
この層は、関係が終わったのです。
したがって、同じ「休眠」でも、送る言葉はまったく変わります。
前提|多くの会社は、休眠顧客を日数だけで切っている
ところが現場では、「最終購入から90日」で一括りにされます。
しかも、そこへ同じ復活クーポンが一斉に配られます。
そのため、10回買ってくださった方に「初回限定」の案内が届きます。
つまり、これまでの関係が無かったことになります。
さらに悪いことに、その一通が最後の一押しになります。
なぜなら、覚えられていないと分かってしまうからです。
前提|休眠顧客の兆候を見つける、3本の線
そこで、日数ではなく3本の線で見てください。
まず、購入間隔の伸びです。
たとえば、30日ごとだった方が45日になった時点で兆候です。
次に、購入点数の減りです。
3品目買っていた方が1品目になったら、離れはじめています。
最後に、声の消失です。
アンケートに答えてくださっていた方が、答えなくなった時点が境目です。
なお、この3つは購入が止まる前に出ます。
だからこそ、止まってから追いかけるより間に合います。
事例|20年の現場で、最も惜しかったこと
私は20年以上、通販の事業会社で実務を続けてきました。
年商600億円規模の通販企業で、社員として現場に立ってきました。
さらに、ゼロイチから11の事業を立ち上げています。
その中で、最も惜しかったのは値引きの失敗ではありません。
離れる前に兆候が出ていたのに、誰も見ていなかったことです。
実際、間隔が伸びはじめた月のデータは、後から見れば残っていました。
ところが当時は、月次の売上合計しか見ていませんでした。
要するに、合計は動いていなくても、中身は入れ替わっていたのです。
事例|「妨げる要因」を外すという考え方
私は『伝説の通販バイブル』(日経BP/2015年12月18日刊)を書きました。
同書では、LTV(顧客生涯価値)から商品企画、在庫・物流、コールセンターまで、通販の全体設計を扱っています。
つまり、LTVは広告や商品だけで決まりません。
むしろ、届いた後の一つひとつの接点で削られていきます。
だから、優良休眠は「集客の問題」ではなく「設計の問題」です。
もっとも、直す場所は多くありません。
たいてい、間隔が伸びた月の1通で足ります。
前提|送る言葉を、回数で変える
そこで、休眠のご案内を2通に分けてください。
まず、1〜2回で離れた方には、商品の使い方を送ります。
なぜなら、この層は使いこなせずに止まっているからです。
一方、10回以上で離れた方には、割引を送りません。
代わりに、これまでのお礼と、近況をお伝えします。
つまり、覚えていることを示すのが先になります。
そのうえで、戻る場所だけを一行添えれば十分です。
まとめ|休眠顧客を確かめる3つの問い
そこで、いまの自社を測ってみてください。
問1. 購入間隔が伸びた方を、月次で抽出できていますか。
問2. 休眠のご案内は、購入回数によって文面が変わりますか。
問3. 10回以上買ってくださって離れた方は、直近1年で何人ですか。
3つとも答えられるなら、兆候は拾えています。
一方、1つでも詰まったなら、いま静かに離れている方がいます。
まとめ|今日の一手
今日やることは、ひとつだけです。
購入回数の多い上位50名の、直近の購入間隔を並べてください。
そして、間隔が前回より伸びている方に印をつけてください。
その方々が、今月いちばん優先すべき相手です。
まとめ|次の段階へ
ここから先は、離れる前に届く仕組みをどう常設するかの設計です。
ただし、適切な頻度と文面は商品の消費サイクルで変わります。
自社がいまどの段階にいるのかを、まず確かめてみてください。
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