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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
応援消費(推し活)調査2026によると、EC利用者の45%に応援したい対象がいます。
応援消費の支出は月3,000円未満が中心で、満足の源泉は体験にあります。
このデータを通販のファン化・LTV設計へ落とし込む3つの手順と注意点を、ファネル設計士が解説します。
値引きをやめると売れない、と感じている通販事業者は少なくありません。
その一方で、消費者の側には「お金を使って応援したい」という気持ちが広がっています。
本記事では、応援消費の最新調査を読み解きます。
そして、小さな通販が「応援される存在」へ変わる設計手順をお伝えします。
応援消費調査2026の要点
スポルアップ社が2026年7月16日、「応援消費(推し活)に関する調査2026」を発表しました。
全国のECアクティブユーザー500名を対象に、2026年7月6日に実施された調査です(スポルアップ調べ)。
EC利用者のうち「応援したい対象・推し」を持つ人は45.0%となっています。その内訳は”推し活”層が31.4%、地域・スポーツなどの”応援”層が25.4%となっています。
対象別に見ると、アイドル・アーティストが18.8%、アニメ・漫画・ゲームのキャラクターが16.2%、スポーツ選手・チームが14.8%、地元・地域が11.6%が上位を占めました。
出典:コマースピック「応援消費(推し活)調査2026|EC利用者45%が「推し」あり、月3,000円未満の支出が中心も譲れないのはグッズとライブ」(2026年7月16日公開/株式会社スポルアップ プレスリリース)/ https://www.commercepick.com/archives/97922
EC利用者の約半数に、応援したい対象がいるということです。
支出面では、応援対象を持つ人の80.0%が実際にお金を使っていました。
月額の最多は「1,000〜3,000円未満」の28.0%です。
応援消費は散財ではなく、月数千円の堅実な支出だと分かります。
応援消費が通販にもたらす3つの示唆
この調査から、通販・D2C事業者が受け取るべき示唆は3つあります。
第1に、応援の動機は「自分の幸せ」だという点です。
応援消費において大切にしている気持ちを複数回答で尋ねたところ、「自分自身が元気・幸せになれる」が56.9%で最多となりました。「応援対象に貢献したい・力になりたい」(37.8%)を大きく上回る結果となっています。
出典:コマースピック「応援消費(推し活)調査2026」(2026年7月16日公開/株式会社スポルアップ プレスリリース)/ https://www.commercepick.com/archives/97922
顧客は、応援を通じて自分が幸せになれる「舞台」を探しているのです。
第2に、支出はモノに向かい、満足は体験に宿るという点です。
応援・推しのための使い道を複数回答で尋ねたところ、「グッズ・関連商品」が60.6%でトップ、「CD・DVD・Blu-ray・書籍・写真集」が45.0%、「ライブ・イベント・試合の参加」が37.8%という順位になりました。
出典:コマースピック「応援消費(推し活)調査2026」(2026年7月16日公開/株式会社スポルアップ プレスリリース)/ https://www.commercepick.com/archives/97922
支出額のトップはグッズでした。
しかし自由記述で「よかった経験」として挙がったのは、ライブや現地観戦などの体験でした。
「良かったからお金を使う」という声もあり、体験の満足が次の支出を生んでいます。
グッズという「モノ」を、記憶に残る「体験」と結びつける売り方が求められます。
第3に、シニア層の応援先は「地元・地域」だという点です。
60代以上でも31.0%が応援対象を持ち、そのトップは地元・地域でした。
顔の見える小さな事業者こそ、応援の受け皿になれる時代です。
応援される通販になる設計手順
ここからは、ファネル設計士としての設計手順をお伝えします。
私は〔見込み客→新規顧客→既存顧客→ファン〕の階段を、ベルトコンベアのように設計します。
応援消費を取り込む接続は、次の3ステップです。
ステップ1:商品に「応援の物語」を載せる
誰が、どんな想いで作っているかを言語化します。
同梱物・商品ページ・開封体験に、造り手の顔と背景を織り込みます。
物語のない商品は比較され、物語のある商品は応援されます。
ステップ2:購入を「参加」に変える
新商品の投票、ネーミングの公募、製造現場の見学会などです。
顧客が関わった商品は、顧客にとって「自分の推し」になります。
ステップ3:小口・継続の応援導線を敷く
調査が示す応援消費の主戦場は、月3,000円未満です。
小口・継続を前提とした設計については、主戦場は月3,000円未満であり、高額単発よりも、無理なく続く応援導線(サブスク・小口グッズ)を設計することが重要であることが分かりました。
出典:コマースピック「応援消費(推し活)調査2026」(2026年7月16日公開/株式会社スポルアップ プレスリリース)/ https://www.commercepick.com/archives/97922
高額単発より、無理なく続く小さな応援の積み重ねが有効です。
注意点|顧客の「我慢」に負担をかけない
調査では、応援者のメリハリ消費も明らかになりました。
譲れない支出はグッズとライブである一方、遠征・交通費や日常費は我慢していました。
つまり応援者は、限られた予算を優先順位で配分しています。
イベントを乱発したり、高額な限定品を連発したりする設計は逆効果です。
「毎月の上限額を決めて、それ以上は我慢している」という声も調査に寄せられていました。
顧客の生活に無理をさせない金額設計が、長く続く応援の条件になります。
これは定期購入の継続率設計と同じ発想です。
売り手の都合ではなく、顧客の家計のリズムに合わせることが継続の土台になります。
まとめ
応援消費は、EC利用者の45%が持つ「自分の心を満たす堅実な消費」です。
物語・参加・小口継続の3つの接続で、商品は「推される存在」に変わります。
値引きで買われる通販から、応援で選ばれる通販へ。
その転換こそが、広告費に頼らないLTV経営の土台になります。
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