会員を2倍にした会社が伸びた。567社データで見る5つの手順

EC KPIとは|会員を2倍にした会社が伸びた。567社データで見る5つの手順

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

EC KPIとは、自社ECの状態を数字で測るための指標です。
まず、今月その見方を変える調査が公開されました。

つまり、伸びている会社が何を増やしていたかが分かったのです。
そして答えは、新規のお客様ではありませんでした。

実際、秋の計画では広告費から考える方が多くいます。
私も長いあいだ、その順番で計画を組んでいました。

ところが、今回の数字はその順番を静かに否定します。
そこで本記事では、EC KPIの見方を5つの手順で解説します。

EC KPIとは何か、いま何が起きているのか

EC KPIとは、売上を分解して見るための数字の組み合わせです。
たとえば、CVRやリピート購入割合や会員数が含まれます。

まず、W2株式会社が公開した「EC実態調査2026」をご覧ください。
この調査は、2026年8月25日に公開されました。

対象は、EC事業者567社です。
しかも、2025年と2026年の同一企業を比べています。

さらに、各年1〜6月の半期実績を突き合わせています。
つまり、業界平均を横に並べた調査ではありません。

そのため、見えるものが変わります。
「どんな会社が伸びたか」は分かりません。

むしろ「伸びた会社は何を増やしていたか」が分かります。
ここが、今回のEC KPIを読む出発点になります。

手順1 EC KPIは、新規と会員を同じ1枚に並べる

最初の手順は、とても簡単です。
まず、2つの増加率を同じ紙に2行で書いてください。

1行目は、新規ユーザー数の増加率です。
2行目は、定期購入会員数の増加率です。

実際、全体の数字は横並びでした。
新規ユーザー数の増加率は、全体で22.6%です。

一方、定期購入会員数の増加率は20.9%でした。
ところが、売上を伸ばした企業だけは違います。

その企業群では、定期購入会員数が前年比43.7%増でした。
つまり、全体の20.9%に対して2倍以上です。

そして、伸びた会社は新規を2倍にしたのではありません。
むしろ、戻ってくる人を2倍にしていました。

だから、EC KPIは2行を並べて見る必要があります。
なお、片方だけを追うと必ず広告の話に戻ります。

手順2 1訪問あたりのPV数で、回遊を測る

次に、測っていただきたい指標があります。
それは、1訪問あたりのPV数です。

実際、規模による差がはっきり出ていました。
年商5〜10億円の企業は、6.49でした。

一方、年商1,000万〜1億円の企業は3.72です。
差は、2.77ページになります。

しかし、これは小さな差ではありません。
3.72は、入って目当てを見て出ていく動きです。

つまり、その1ページで結論を出しています。
6.49は、入って隣も見てから決める動きです。

そこで私は、前者を「見て終わる店」と呼びます。
そして、後者を「見て回る店」と呼んでいます。

ここに、広告の落とし穴があります。
見て終わる店に広告を足すと、初めての方だけが増えます。

その結果、分母が膨らみCVRは下がります。
だから数字が悪くなり、また広告を足すことになります。

手順3 買わずに読めるページを1本足す

さらに、回遊には行き先が要ります。
そのため、売らないページを1本つくってください。

たとえば、使い方の記事でも構いません。
あるいは、選び方や続けている方の話でも十分です。

実際、2ページ目がない店は3.72で止まります。
だから、まずは1本だけ足してください。

ここで大切なのは、売らないと決めることです。
むしろ、売り込みを外すほど読まれます。

なお、この考え方はAI集客の始め方でも同じでした。
つまり、着地したあとに読む場所があるかどうかです。

手順4 定期の入口を、商品ページの中に置く

次に、会員化の導線を見直します。
ところが、多くの店では入口が別ページにあります。

その結果、買おうとしている方に見つかりません。
そこで、続ける選択肢を商品ページの中に置いてください。

実際、43.7%を積んだ会社はここが違います。
つまり、決める画面の中に選択肢があります。

しかも、追加の広告費は1円もかかりません。
だから、最初に手をつける価値があります。

手順5 90日目に、売らない1通を送る

最後の手順は、時間の設計です。
まず、購入から90日を目印にしてください。

多くの通販では、この時期に関係が薄くなります。
しかし、案内を送ると押し売りになります。

そこで、様子をうかがう1通だけを入れます。
これが、100日ファン化計画のいちばん効く1通です。

なお、返信が来なくても構いません。
むしろ、送った事実がリピート購入割合に効いてきます。

数字で見る、EC KPIのいま

ここで、EC KPIの主要な数値を整理します。
まず、CVRの中央値は全体で3.23%です。

一方、年商5〜10億円の企業は10.69%でした。
つまり、3倍以上の開きがあります。

次に、リピート購入割合を見てください。
全体は72.9%、年商5〜10億円の企業は78.3%です。

ここで、注目していただきたい点があります。
CVRは3倍以上違うのに、リピートの差は5.4ポイントです。

したがって、上の層が突出しているのは買う確率です。
そして、買う確率は集めた人の顔ぶれで決まります。

要するに、CVRは広告の成績表ではありません。
むしろ、集めた人の中身の成績表です。

直線ファネルから同心円ファネルへ

私は、この構造をベルトコンベア理論と呼んでいます。
まず、直線ファネルは広告から購入までの一本道です。

この設計では、買った瞬間に関係が終わります。
そのため、売上は広告費に正比例します。

一方、同心円ファネルは中心に既存のお客様がいます。
そして、その方が回遊し、語り、次の方を連れてきます。

実際、今回のEC KPIはこの2つを分けています。
つまり、会員43.7%増は中心が太くなった証拠です。

なお、CVR10.69%は結果として出た数字にすぎません。
むしろ、中心を太くした会社だけが手にしています。

まとめ|EC KPIの次にくる100日

最後に、今日の1歩をお伝えします。
まず、直近1か月の1訪問あたりPV数を調べてください。

3.72に近いか、6.49に近いか。
それだけで、次に足すものが決まります。

つまり、広告なのか2ページ目なのかが分かります。
そして、答えはたいてい2ページ目のほうです。

入口を広げる前に、中で歩ける道を1本。
1人の熱中が、100人の推し活を生む。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。