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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
ポップアップストアの成果を、売上で数えていませんか。
しかし、その数え方だと催事はその日で終わります。
原宿で10日間開かれた催事に、32,619人が来場しました。
ところが、主催者が最初に出した数字は売上ではありません。
新規会員登録者数が、前年比4倍。
つまり、成果は名簿の増加で語られています。
今日は、集めた人を名簿に変える5つの手順をお伝えします。
まず、いま何が起きているのかから見ていきます。
ポップアップストアとは何か、いま何が起きているのか
ポップアップストアとは、期間を限って開く仮設の売り場です。
たとえば、商業施設の一角や空き店舗を、数日から数週間だけ使います。
株式会社MUSINSA JAPANが、その開催結果を公表しました。
なお、発表は2026年9月1日です。
会場は、原宿のヨドバシJ6ビルでした。
そのうえで、開催は8月21日から10日間でした。
来場は、累計32,619人です。
また、1日平均では3,262人になります。
ちなみに、会期は10日しかありません。
そのため、1日あたりの密度がそのまま成果を決めます。
さらに、新規会員登録者数は前年比4倍に達しました。
日本初上陸の20ブランドは、取引額が前月比3倍以上に増えています。
ここで注目したいのは、数字の順番です。
つまり、売上ではなく会員登録が先に置かれています。
会員登録は、その日で終わりません。
なぜなら、翌日以降もこちらから声をかけられるからです。
手順1 ポップアップストアの目標を、名簿の増加数で置く
まず、当日の目標欄を書き換えます。
そして、「売上◯万円」の前に「新規登録◯件」を書きます。
売上目標を捨てる必要はありません。
つまり、順番を入れ替えるだけです。
そのうえで、両方を並べて記録します。
その結果、翌月に振り返る材料が残ります。
売上で数えると、催事はその日で閉じます。
一方、名簿で数えると、催事はその日から始まります。
来場が30人でも、考え方は同じです。
だから、そのうち何人を名簿に入れるかを先に決めます。
手順2 登録の見返りを、割引ではなく次の約束にする
次に、登録の見返りを見直します。
なぜなら、値引きで集めた名簿は値引きで離れるからです。
代わりに置くのは、次に会える約束です。
実際、先ほどの催事も大阪での次回を予告しています。
なお、会場はうめきた公園のVS.です。
そして、会期は2026年10月23日から11月8日までです。
つまり、次があるから登録が意味を持ちます。
小さな会社なら、「次は11月にやります」の一言で足ります。
手順3 買わずに帰る方にこそ、声をかける
会場では、買ってくださった方に意識が向きます。
ところが、名簿として効くのは買わずに帰る方です。
実は、その方は決めきれていないだけです。
実際、迷った時間の長さは、関心の深さでもあります。
買った方には、レシートという接点が残ります。
しかし、買わなかった方には名簿しか接点がありません。
そこで、登録の導線をレジではなく出口に置きます。
また、声のかけ方も「よろしければ」の一言で十分です。
なお、その場で書いていただく項目は絞ります。
なぜなら、項目が多いほど記入は止まるからです。
手順4 会場を出た当日中に、1通目を送る
登録から時間が空くほど、記憶は薄れます。
だから、会場の空気が残るうちに1通目を届けます。
内容は、売り込みではありません。
むしろ、お礼と会場の写真と次の予定だけです。
また、送る手段は1つに決めておきます。
そのため、当日に迷う時間がなくなります。
これだけで、名簿の意味が変わります。
つまり、登録された住所が顔の見える関係になります。
手順5 100日で3回、目的を変えて会いにいく
最後に、1通目のあとをあらかじめ決めます。
たとえば、当日にお礼、2週間後に使い方を送ります。
そのうえで、次の催事の1カ月前に先行案内を送ります。
3回とも、目的が違います。
同じお知らせを3回送るのではありません。
なぜなら、目的が同じ便りは2回目から読まれないからです。
この3回を、100日のあいだに置きます。
すると、一度行ったお店が、また行くお店に変わります。
数字で見る、ポップアップストアと通販市場のいま
ここで、市場の数字も並べておきます。
日本通信販売協会が、2026年8月28日に市場規模を公表しました。
2025年度の通販・EC市場規模は、15兆4,085億円です。
前年比では、5.9%増でした。
金額では、8,585億円の増加です。
一方、前年度は7.3%増の14兆5,500億円でした。
つまり、伸び率は7.3%から5.9%へ緩んでいます。
なお、調査は806社を対象に行われました。
市場は伸びています。
ただし、追い風だけで積み上がる時期は終わりかけています。
だからこそ、名簿の数え方が効いてきます。
AI経由の流入を測る手順も、以前こちらで書きました。
『億超えのルール』が言うスキマは、名簿の中にある
拙著『【小さな会社】ネット通販 億超えのルール』があります。
なお、すばる舎から2017年12月18日に出た本です。
そして、その第1章はこういう題です。
「20兆円市場で、ゼロから年商10億円を確定させるスキマを探せ!」
当時、私はこれを商品選びの話として書きました。
しかし、いまは少し違う読み方をしています。
15兆4,085億円は、あなたの売上ではありません。
その数字のどこにも、あなたの会社の名前は入っていません。
あなたの市場は、あなたの名簿の中にしかない。
つまり、スキマとは名簿の中の関係のことです。
32,619人を集めても、名簿に変わらなければ翌日はゼロです。
むしろ、30人で25人の名簿ができるほうが強いのです。
まとめ|ポップアップストアの次にくる100日
催事で売る、という考え方は直線です。
つまり、集めて、売って、終わります。
催事で名簿に入れる、という考え方は同心円です。
そして、名簿に入れて100日かけて内側へ寄っていただきます。
10日で終わる催事を、100日続く関係の入口に変える。
これが、小さな会社が催事に出る本当の理由です。
つまり、変えるのは規模ではありません。
むしろ、最初に何を数えるかだけです。
そのため、今日は目標欄に一行足すだけで十分です。
「新規登録◯件」と書いた瞬間に、当日の動線が変わります。
1人の熱中が、100人の推し活を生む。
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