離乳食を卒業したお客様に、次の一皿を置いた会社があります

ライフステージとは|離乳食を卒業した家庭に次の段を置く設計

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

離乳食を卒業した日、お客様はどこへ行きますか。
まず、今月始まった1本の新商品をご覧ください。

発表したのは、食品宅配のオイシックスです。
そして、対象は離乳食を卒業した家庭でした。

実は、離乳食はいつか必ず終わる商品です。
つまり、お客様が必ず離れる日があります。

ところが、この会社はその日を入口に変えました。
すなわち、ライフステージの次の段を置いたのです。

本稿では、卒業したお客様を見送らない5手順を扱います。
なお、数字はすべて一次資料で照合しています。

離乳食を卒業したご家庭に、次の一皿がありました

まず、発表の中身から入ります。
実際、販売はすでに始まっています。

「おやこごはんKit」シリーズ 2026年9月3日(木)10:00〜販売開始
出典:オイシックス株式会社 プレスリリース(2026年9月3日発表)

対象は、はっきりと書かれていました。
しかも、ライフステージで区切ってあります。

離乳食を卒業し、親と同じものを食べ始める幼児食期のお子さま
出典:同リリース

さらに、商品の形にも工夫があります。
ここが、今回いちばんの要点です。

1つのミールキットで子ども分と大人分の作り分けが簡単にできる2.5人前メニュー
出典:同リリース

つまり、子どもの分を大人の分に足しています。
その結果、子どもの商品が家族の食卓になりました。

なお、調理時間は20分以下とされています。
また、最初の2品の組は2,257円(税込)です。

ライフステージの切れ目で、お客様は黙って離れます

ここで、小さな会社の話に置き換えます。
実は、どんな商品にも卒業の日があります。

たとえば、肌の悩みは年齢とともに変わります。
また、事業の道具は規模とともに変わります。

ところが、その日に連絡する会社はまれです。
その結果、お客様は何も言わずに離れます。

しかも、不満があって離れるのではありません。
むしろ、お客様のほうが先に進んだだけです。

だからこそ、ライフステージの切れ目は静かです。
一方で、次の段を置けば最大の入口になります。

手順1 ライフステージの「卒業日」を数える

まず、自社商品の「使わなくなる日」を書き出します。
そのうえで、購入から何か月後かを数えます。

なぜなら、卒業日は商品ごとに決まっているからです。
実際、離乳食なら幼児食期に入る頃になります。

ところが、多くの台帳には購入日しかありません。
その結果、卒業日がどこにも記録されていません。

ですから、最初の一歩は台帳に1列足すことです。
列の名前は、「次の段に上がる頃」で足ります。

手順2 卒業の手前で、悩みを聞く

次に、卒業の手前で悩みを聞きます。
この会社も、発売前にご家庭へ聞いていました。

1歳半~4歳の子を持つご家庭へのアンケート調査(回答数189件/回答期間2026年7月23日~24日/オンライン調査)。子どもの食べムラに「悩んでいる」61.4%(少し悩んでいる43.9%+かなり悩んでいる17.5%)
出典:同リリース

さらに、平日の夕食作りの負担も聞いています。
上位3つまで選ぶ形で、1位は献立でした。

「毎日の献立を考えること」73.5%、「同じメニューや味付けが多くなる」42.9%、「食材の買い物」40.7%
出典:同リリース

つまり、困っていたのは子どもの皿だけではありません。
実際、ヒアリングではこんな声が出ていました。

「子どものごはんはちゃんと用意するが、親は適当に済ませている」というご家庭が少なくなく
出典:同リリースしたがって、空いていたのは親の皿でした。

そこに、次の商品の棚がありました。

なお、小さな会社なら189件も要りません。
卒業が近い10名に、1問だけ聞けば足ります。

手順3 次の段は、同じ食卓に置く

さらに、次の商品を置く場所を決めます。
ここで、まったく別の売り場を作らないでください。

なぜなら、お客様の暮らしは続いているからです。
つまり、次の段はいまの暮らしの隣にあります。

実際、この会社は子どもの皿を家族の皿に広げました。
しかも、大人の分も満足できる味にしています。

一方で、子どもの分は薄味に仕立てています。
その結果、1つのキットで2つの味がそろいます。

ですから、自社でも次の段を隣に置きます。
候補は、同じ方の次の悩みか、同じ方のご家族です。

手順4 ライフステージに、名前と期間をつける

次に、ライフステージそのものに名前をつけます。
この発想は、日本生協連が先に示しています。

誕生前から小学校入学までの約100か月を、こどもの健やかな成長にとって特に大切な時期と位置づけています。
出典:日本生活協同組合連合会 プレスリリース「100か月CO・OP」(2026年1月20日発表)

つまり、商品を並べる前に期間を名付けています。
その施策は、2026年2月21日に始まりました。

しかも、妊娠中から申し込める共済があります。
実際、「生まれたその日」から保障が始まります。

なぜなら、期間に名前があると次が見えるからです。
その結果、お客様は卒業ではなく進級と感じます。

ですから、自社でも期間を1つ名付けてください。
たとえば、「はじめての100日」で足ります。

手順5 卒業の日に、1通だけ送る

最後に、卒業の日に1通だけ送ります。
文面は、お祝いと次の段の紹介だけにします。

ところが、ここで値引きを先に出したくなります。
しかし、それでは進級が安売りに見えてしまいます。

むしろ、先に「ここまでありがとう」を伝えます。
そのうえで、次の段を1つだけ添えます。

なお、送る時期は手順1で数えた卒業日です。
つまり、台帳の1列がそのまま送信日になります。

ベルトコンベア理論で見る、ライフステージの階段

ここで、私の本から1つお伝えします。
拙著『伝説の通販バイブル』の第3章です。

章題は「ベルトコンベア理論こそが、経営のカギを握る」です。
つまり、お客様を段から段へ運ぶ考え方です。

実は、ライフステージの切れ目こそが段差です。
だからこそ、段差の手前に次の段を置いておきます。

さらに、段は暮らしの変化とともに増えていきます。
しかも、その間ずっと同じ会社が並走できます。

ところが、段を置かない会社は毎年新規を探します。
その結果、広告費だけが積み上がっていきます。

数字で見る、2つの会社の設計

まず、オイシックスの商品の数字です。
2026年9月3日発売、2.5人前、調理20分以下。

次に、価格と会員の数字です。
2品の組で2,257円(税込)、会員344,556人です。

なお、会員数は2026年6月末時点の値です。
また、調査は189件で2026年7月に行われました。

さらに、生協の数字も並べておきます。
約100か月、施策の開始は2026年2月21日です。

もっとも、出典は各社の一次資料にまとまっています。
つまり、二次のまとめ記事の数字は使っていません。

集めて売る直線から、進級していく同心円へ

ここまでの5手順は、1つの順番にまとまります。
すなわち、卒業の前に次の段を置くことです。

売って、卒業されたら終わる。これが直線ファネルです。
卒業のたびに、1段上がる。これが同心円ファネルです。

ところが、新規の数だけを見ると前者で足ります。
その結果、同じご家庭を二度と追いかけません。

つまり、見るべきは次の段に上がった人数です。
なぜなら、上がった方だけが家族の話をするからです。

なお、同じ方の情報を残す設計は別稿で整理しました。
あわせて、顧客カルテの設計もご覧ください。

まとめ|ライフステージの次にくる100日

最後に、明日やることを3つに絞ります。
まず、台帳に「次の段に上がる頃」の列を足します。

次に、卒業の手前で悩みを1つ聞きます。
そして、卒業の日にお祝いと次の段を1通送ります。

つまり、卒業はお別れの日ではありません。
むしろ、ライフステージの次の段への入口です。

1人の熱中が、100人の推し活を生む。
今日は、自社商品の卒業日を1つ書き出してみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。