タマチャンショップのリピート率7割に学ぶ、小さな通販のファン化設計

タマチャンショップのリピート率7割に学ぶ、小さな通販のファン化設計

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

「広告を出しても、利益が残らない」。
そんな声が、通販の現場から年々強くなっています。

この記事では、リピート率約7割・会員約140万人を積み上げた
「タマチャンショップ」を題材に、広告に頼らずファンがファンを呼ぶ通販の設計手順を解説します。

ファン化が利益を決める時代になった

新規獲得だけに依存する通販は、獲得コスト(CPA)が上がるほど利益が細ります。
一方、既存客がリピートし、周囲にすすめてくれる通販は、広告費を増やさずに売上を伸ばせます。

その差を生むのが「ファン化」です。
宮崎発のタマチャンショップは、まさにファン化を武器に成長してきた会社です。

しいたけ農家が自社の「しいたけ」を販売する目的で2003年に立ち上げたECサイトだったが、今では約140万人の会員を持つ人気ブランドに。「楽天市場」で8度の「ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)」を受賞したほか、「JAPAN EC大賞2024」では総合大賞を受賞。口コミを中心に支持を集め、リピーター率は約7割にのぼる。

出典:ネットショップ担当者フォーラム「ファンがファンを呼ぶECサイト『タマチャンショップ』はなぜ愛され続けるのか。リピート率7割を実現する施策とは」(2025年4月16日)/ https://netshop.impress.co.jp/node/13776

数字は同記事の取材時点のものです。
口コミが中心という点に、ファン化の本質が表れています。

価格競争という見えない敵

同社の創業期は、他社商品を安く売るモデルでした。
しかし、それは疲弊への道でした。

競合もまったく同じ商品を販売しているので安くなければ売れず、価格競争に疲弊してしまったんです。

出典:ネットショップ担当者フォーラム「ファンがファンを呼ぶECサイト『タマチャンショップ』はなぜ愛され続けるのか。リピート率7割を実現する施策とは」(2025年4月16日)/ https://netshop.impress.co.jp/node/13776

安さで集めた顧客は、より安い店へ移っていきます。
多くの小さな通販が抜け出せない、共通の落とし穴です。

同社はここで、安売りではなく存在意義(パーパス)を掲げる道を選びました。

ファン化を生む2つの型

タマチャンショップのファン化には、再現できる型があります。

型1|すべての接点で世界観を統一する

コンセプトページをはじめ、商品ページ、商品への同梱チラシ、メールマガジン、SNSなどで自社のメッセージを発信し続けました。

出典:ネットショップ担当者フォーラム「ファンがファンを呼ぶECサイト『タマチャンショップ』はなぜ愛され続けるのか。リピート率7割を実現する施策とは」(2025年4月16日)/ https://netshop.impress.co.jp/node/13776

デザインとテキストの基準を決め、トンマナを揃える。
この統一を4〜5年続けたことで、ブランドの文化が育ちました。

型2|「友達にすすめたくなるか」で商品をつくる

商品開発の判断軸は、市場調査ではなく感覚に置かれています。

「熱量高く友達に薦めたくなるような感覚」を大事にしています。

出典:ネットショップ担当者フォーラム「ファンがファンを呼ぶECサイト『タマチャンショップ』はなぜ愛され続けるのか。リピート率7割を実現する施策とは」(2025年4月16日)/ https://netshop.impress.co.jp/node/13776

女性向けプロテイン「タンパクオトメ」は5000万食を突破しました。
「OH!オサカーナ」は累計600万袋を超えています。

友達にすすめたくなる商品だからこそ、口コミが自然に広がるのです。

ファンコミュニティ「タマリバ」という装置

ファン化を紹介へ変換する場が、2023年開設の「タマリバ」です。

ビジョンに深く共感するファンが集うコミュニティで、約5000名が在籍している(2025年4月現在)。開設から約2年で、投稿数は1万件以上にのぼります。

出典:ネットショップ担当者フォーラム「ファンがファンを呼ぶECサイト『タマチャンショップ』はなぜ愛され続けるのか。リピート率7割を実現する施策とは」(2025年4月16日)/ https://netshop.impress.co.jp/node/13776

立ち上げの1年間は、あえてクローズドで運営したといいます。
いきなり間口を広げず、濃い場を先につくる。

その中で「お客さま同士が商品を紹介し合う」状況が生まれました。
これは、拙著『ミニマム通販バイブル』の「まず集めて、それから売る」という考え方と重なります。

売り込む前に共感で集め、集まった関係から次の顧客を生む順番です。

ファネル設計で見る「紹介が返ってくる」構造

タマチャンショップの事例は、ファネル設計の視点で見るとより立体的になります。

見込み客を集め、初回購入で顧客にする。
そこで終わらず、世界観の統一とていねいな接客で、顧客を優良顧客へ育てます。

その優良顧客が「タマリバ」で語り合い、ファンへと変わっていきます。
そしてファンは、頼まれなくても友達に商品をすすめてくれます。

この「紹介」こそ、ファン化を続けた会社にだけ返ってくるリターンです。
広告で買う新規客と違い、紹介から来たお客さまは最初から一定の信頼を持っています。

だからリピートしやすく、また次の紹介を生みやすい。
ファン化は、この好循環を回すための土台づくりだと言えます。

物価高で「意味消費」が広がる今、選ばれる理由は価格ではなく共感に移っています。
小さな通販ほど、この共感を軸にしたファン化で戦うほうが分がよいのです。

まとめ|ファン化は設計できる

ファン化は、才能ではなく設計です。
世界観の統一、友達にすすめたくなる商品、そして限定コミュニティ。

この3つを地道に積めば、小さな通販でも「ファンがファンを呼ぶ」流れはつくれます。
まずは自社の優良顧客だけを招く小さな場を、1つ用意することから始めてみてください。

(関連記事:コミュニティマーケティング白書/NPSでファン化を測る/推し活マーケティング ほか自社ブログ内の関連記事へ)

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。