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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
再購入率の低さに悩む通販・EC事業者向けの実践解説です。
ドライフラワーEC「土と風の植物園」は個体差をポジティブに伝える価値の伝え方、
約7年の定期便、アップサイクル施策で再購入率約6割を実現しました。
小さな会社が今日から真似できる手順に落とし込みます。
売上を伸ばしたいとき、多くの通販事業者は新規のお客様を増やそうとします。
しかし、利益の土台を作るのは、2回目以降に買ってくださるお客様です。
再購入率が低いお店は、どれだけ集客しても水漏れが止まりません。
今日は、再購入率約6割という成果を出しているドライフラワーECの事例を分解します。
事例の概要|購入者の約6割がリピーター
まず、事実から確認します。
クラビズは、運営するドライフラワーのECサイト「土と風の植物園」に独自の商品価値をサイト上で細かく掲載し、購入客を確実にリピーターへと定着させている。
開設以降、コロナ禍の在宅需要を経て、現在は購入者の約6割をリピーターが占めているという。
出典:日本ネット経済新聞「クラビズ、ドライフラワーのECサイト『土と風の植物園』展開 独自の価値伝えて再購入6割に」(岩川彩夏記者・2026年7月12日公開)/
https://netkeizai.com/articles/detail/19191
ドライフラワーは、色や形に個体差があり、日々状態も変わる商材です。
ECで最も嫌われる「写真と違う」が起きやすい条件がそろっています。
それでも再購入率6割を実現した理由を、3つの設計に分けて見ていきます。
設計1|個体差を期待感に変える価値の伝え方
1つ目は、商品ページでの価値の伝え方です。
商品は生花で仕入れた花を自社のアトリエですぐに乾燥し、他社にはない色鮮やかで加工の少ないナチュラルな風合いを実現している。
色合いや形には必ず個体差があり、日々の状態変化もある。ECでは写真通りの商品が求められる傾向があることを把握して、サイトを訪れた人にポジティブに伝えるページ作りに努める。
出典:日本ネット経済新聞「クラビズ、ドライフラワーのECサイト『土と風の植物園』展開 独自の価値伝えて再購入6割に」/
https://netkeizai.com/articles/detail/19191
さらに、具体的なページ作りはこうです。
例えば、独特のグラデーションがある「マジックアワーに染まる紫陽花」のページでは、複数の異なる色合いの写真を並べ、「届いた唯一の色合いをお楽しみください」と記載。
文章や写真の構図を専任スタッフが統一し、ブランドの世界観を守りながら、どんな状態のものが届くかを顧客に正しく伝えることで、購入前の不安を期待感へと変えている。
出典:日本ネット経済新聞「クラビズ、ドライフラワーのECサイト『土と風の植物園』展開 独自の価値伝えて再購入6割に」/
https://netkeizai.com/articles/detail/19191
ここでの学びは、期待値の調整こそが満足度の設計だという点です。
個体差を隠して売れば、届いた瞬間に期待とのギャップが生まれます。
個体差を一点ものの価値として先に伝えれば、同じ商品が喜びに変わります。
再購入率は、届いた瞬間の感情で決まるのです。
設計2|約7年続く定期便で接点を絶やさない
2つ目は、継続の仕組みです。
開始から約7年となる定期便の運用も顧客の定着につながっている。
ドライフラワーは手入れが生花に比べて簡易だ。色の鮮やかさで季節性も楽しめる。
出典:日本ネット経済新聞「クラビズ、ドライフラワーのECサイト『土と風の植物園』展開 独自の価値伝えて再購入6割に」/
https://netkeizai.com/articles/detail/19191
定期便の本質は、毎月の売上ではなく毎月の接点です。
お客様の暮らしの中に、ブランドと出会う瞬間を定期的に埋め込んでいます。
季節の楽しみとして届くから、売り込み臭が出ないのです。
設計3|アップサイクルで解約理由を先回りして消す
3つ目が、私が最も感心した仕掛けです。
定期便の利用者にはアップサイクル施策も提供している。
飾り終えて古くなったドライフラワーを顧客が郵便で返送すると、次の発送時に、香り付きのサシェに作り変えて同梱している。
自宅に花が増え続ける負担を減らしつつ、次の購入動機を生み出している。
出典:日本ネット経済新聞「クラビズ、ドライフラワーのECサイト『土と風の植物園』展開 独自の価値伝えて再購入6割に」/
https://netkeizai.com/articles/detail/19191
花の定期便には「家に花が増えすぎる」という構造的な解約理由があります。
同社はこれを、古い花を返送するとサシェになって戻る体験に変えました。
負担が減るだけでなく、次の箱を開ける楽しみが1つ増えています。
解約の芽を摘みながら継続の動機を足す、一石二鳥の設計です。
拙著『伝説の通販バイブル』でも、
お客様と長く続く関係を育てることが通販の本質だとお伝えしてきました。
続ける理由を用意し、やめる理由を消す。
この両輪がそろって初めて、再購入率は安定して伸びていきます。
小さな会社が今日から真似する手順
手順は3つです。
第1に、主力商品ページを開き、お客様が不安に感じそうな事実を書き出します。
第2に、その事実を「だからこそ楽しめる」形に反転させる一文を作り、ページへ追加します。
第3に、お客様が継続をやめる理由を1つ特定し、それを消す小さな施策を設計します。
なお、同記事によると同社は今後、フラワーベースとの合わせ方など
インテリアとしての提案を強化していく方針とのことです。
商品を売るのではなく、暮らしに伴走する。
この姿勢こそが、ファンを育てる通販の共通項だと感じます。
まとめ
再購入率6割は、偶然ではなく設計の結果です。
価値の伝え方で購入前の不安を期待感に変える。
定期便で接点を絶やさない。
アップサイクルで解約理由を先回りして消す。
〔新規顧客→リピーター→ファン〕の階段を、
あなたのお店にも1段ずつ作っていきましょう。
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