銭湯で初めて知った人の6割が、買いたいと答えた理由

体験型マーケティングとは|銭湯で初めて知った人の6割が購入を前向きに検討した体験設計

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

体験型マーケティングは、どこで行っていますか。
実は、その答えが「銭湯」だった会社があります。

発表したのは、ヘアケアブランドのLinonです。
しかも、来場者の4人に3人が初対面でした。

ところが、その初対面の6割超が前向きに動きました。
つまり、「買いたい」の手前まで進んだのです。

さらに、来場者の多くはイベント目当てではありません。
むしろ、いつもの湯に入りに来た一般客でした。

本稿では、体験型マーケティングの5手順を扱います。
なお、数字はすべて一次資料で照合しています。

体験型マーケティングの舞台は、東中野の銭湯でした

まず、発表の中身から入ります。
実際、結果は昨日公表されたばかりです。

参加者の74.9%がその日初めてLinonを知り、うち61.8%が購入を前向きに検討するという体験型マーケティングの高い転換率を確認。
出典:株式会社SOLIA プレスリリース(2026年9月18日発表)

場所は、東京・東中野の銭湯「松本湯」です。
期間は、8月6日からの14日間でした。

また、アンケートの回答は529件ありました。
事前に知っていた人は、25.1%だけです。

つまり、4人に3人がその日の初対面でした。
しかも、知らなかった396人の6割超が前向きでした。

来ていたのは、イベント目当てではない人たちです

ここで、来場者の顔ぶれを見てみます。
実は、ここが今回いちばんの要点です。

来場者の84.5%は銭湯・サウナ目的で訪れた純粋な一般客。
出典:同リリース

つまり、多くの人はたまたま出会っただけです。
なぜなら、目的はいつもの湯だったからです。

しかも、その出会いは生活の途中で起きています。
だからこそ、売り込まれた感じが残りません。

ところが、小さな会社は興味のある人を集めがちです。
一方で、今回は興味を持つ前の人に出会っています。

手順1 体験型マーケティングは、場所選びから

まず、お客様の悩みが生まれる場所を1つ書きます。
なぜなら、悩みは売り場の外で生まれるからです。

アンケートで明らかになった「銭湯・サウナ後の髪の悩み」のトップは乾燥・パサつき(62.6%)、次いで熱ダメージ(33.1%)、広がり(20.8%)、まとまりの悪さ(19.1%)。出典:同リリース

つまり、湯上がりは悩みがいちばん濃い時間です。
だからこそ、その場で試す意味があります。

たとえば、ジムの更衣室やキャンプ場の夜です。
あるいは、習い事の待合室も候補になります。

もっとも、場所は1つに絞って構いません。
むしろ、1つに絞るほど悩みの言葉が揃います。

手順2 悩みが生まれる瞬間に、試せる場所を置く

次に、その場所で試せるものを1つ置きます。
この会社は、置き方を細かく分けていました。

シャンプー・トリートメント(インバス)をそのまま体験できるディスペンサーを設置
出典:株式会社SOLIA プレスリリース(2026年8月4日発表)

さらに、脱衣所にはロックオイルとヘアミルクです。
また、休憩スペースにはガチャガチャも置きました。

つまり、洗う場所で洗い、乾かす場所で整えます。
その結果、説明より先に手に取ってもらえます。

なお、小さな会社なら試供品1箱で足ります。
実際、置き場所さえ合えば規模は問いません。

手順3 体験型マーケティングは、直後のひとことで決まる

そして、試した直後にひとことだけ聞きます。
実際、この会社はQRコードで声を集めていました。

実際に商品を使った後は満足度5点が52.6%(過半数)と
出典:同リリース

しかも、印象が良くなった人は49.5%でした。
つまり、試した直後は感想がいちばん素直に出ます。

なお、小さな会社なら質問は1つで足ります。
たとえば、「いちばん気になった悩みは」です。

手順4 聞いた答えに、次の連絡の約束を添える

ここからは、私からのご提案です。
なお、アンケート後の連絡はリリースに記載がありません。

ところが、体験型マーケティングには落とし穴があります。
すなわち、その場で喜ばれて終わることです。

実は、4人に3人とは次に会う約束がありません。
なぜなら、その日が初対面だったからです。

そこで、アンケートの最後にLINE登録を1つ添えます。
たとえば、「冬前のお手入れを1通だけ届けます」です。

ただし、約束は1つに絞ってください。
実際、2つ並べるとどちらも選ばれません。

手順5 体験型マーケティングは、1か所で確かめてから広げる

最後に、広げ方を決めます。
この会社は、1軒の銭湯と14日間で確かめました。

さらに、リリースは次の応用先も挙げています。
たとえば、温浴施設やホテルへの設置です。

拙著『売ってから、つくる!ミニマム通販バイブル』も同じ順番です。
つまり、大きく作る前に小さな場所で確かめます。

そのうえで、確かめた数字を持って次を選びます。
その結果、2か所目の打率が上がっていきます。

小さな会社の体験型マーケティングで、よくある3つの迷い

まず、「予算がない」という迷いです。
しかし、大切なのは規模より場所選びです。

次に、「試してもらっても続かない」という迷いです。
実は、原因は次の約束がないことにあります。

さらに、「成果を何で測るか」という迷いです。
つまり、売上だけで測らないことが大切です。

たとえば、初めて知った人の割合を数えます。
そして、次の約束に応じた人の数も並べます。

ベルトコンベア理論で見る、銭湯という入口

ここで、私が大切にしている考え方をお伝えします。
それが、ベルトコンベア理論です。

すなわち、お客様を段から段へ運ぶ考え方です。
実は、銭湯での体験はいちばん手前の段にあたります。

ところが、次の段へ運ぶ帯がなければ止まります。
その結果、満足したまま湯上がりで帰っていきます。

数字で見る、体験型マーケティングの結果

まず、有効回答は529件でした。
次に、初めて知った人は74.9%です。

さらに、一般客は84.5%を占めていました。
また、イベント満足度4〜5点は76.4%です。

なお、購入者数や売上は記載がありません。
つまり、61.8%は意向の数字だという点にご注意ください。

集めて売る直線から、いつもの場所の同心円へ

ここまでの5手順は、1つの順番にまとまります。
すなわち、お客様がいる場所で先に出会うことです。

売り場に呼んで、来た人にだけ売る。これが直線です。
いつもの場所で出会い、次へ運ぶ。これが同心円です。

なお、前回は会報誌の区切り方を扱いました。
あわせて、次に行く場所を書く設計もご覧ください。

まとめ|体験型マーケティングで始まる100日

最後に、明日やることを3つに絞ります。
まず、悩みが生まれる場所を1つ書き出します。

次に、その場所で試せるものを1つ置きます。
そして、試した直後の約束を1つ添えます。

つまり、体験型マーケティングは売り場の外で始まります。
むしろ、お客様の生活の途中が最初の入口です。

1人の熱中が、100人の推し活を生む。
今日は、自社の商品が効く「いつもの場所」を1つ書いてみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。