アサヒコの豆腐バーをご存知ですか?

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

アサヒコの豆腐バーをご存知ですか?
今では、7500万本のヒット商品ですで年商も126億円を超えています。
このヒット商品の影には戦略的にもとても参考になります。
まずは、STP分析からその成功の背景を探っていきましょう。

セグメンテーション(市場の細分化)
豆腐バーのセグメンテーションは、消費者のライフスタイル
や価値観に注目した細分化が特徴的です。

特に、健康志向が強い人々、ダイエットや筋肉増強を目的とするフィットネス層、
仕事や家事で忙しく手軽なタンパク質補給を求める人々に向けて、
商品開発が行われました。その一方、豆腐の市場規模は下がっていました。

また、従来の豆腐が「調理が必要で賞味期限が短い」という課題を抱えていたのに対し、
豆腐バーは持ち運びやすく、すぐに食べられるという利便性を強調することで、
時間に制約のあるビジネスパーソンや、子育て世代のニーズにも応えています。

これにより、ライフスタイルや購買行動が異なる複数のセグメントに
向けたニーズを同時に満たすことが可能となりました。

ターゲティング(ターゲット市場の決定)
豆腐バーは、上記のセグメントから特に「健康・フィットネス志向が高く、
簡便で栄養価が高い食品を求める層」を明確にターゲットとしています。

彼らは日常的にタンパク質を重要視し、肉やプロテインの代わりとしても
植物性タンパク源としての豆腐を選ぶ傾向があるため、
この層は豆腐バーに自然と関心を寄せる市場でした。

また、商品自体が非常に手軽に摂取できることから、
忙しい社会人や子育て世代も重要なターゲットとして想定されています。

この明確なターゲティングにより、豆腐バーはターゲット層にピンポイントでリーチする
というマーケティングが可能となり、
ニッチ市場であっても需要が集中する構造が作られたのです。

ポジショニング(市場での立ち位置)
豆腐バーのポジショニングは、既存の「スナック菓子」や「コンビニ食品」とは異なる
ヘルシースナックとしての位置づけが成功の要因です。

スナック市場では健康面や栄養価への懸念が多く、
消費者の間で「罪悪感が少なく栄養価の高い選択肢が求められていました。

ここで豆腐バーはヘルシーかつ高タンパク、低カロリーというポジションを打ち出し、
これまでスナック菓子に抵抗感を持っていた消費者のニーズに応えました。

また、高タンパク・低カロリーの食品は価格も高くなることが一般的ですが、
豆腐バーは手軽に購入できる価格帯に設定することで、
日常的に選びやすい選択肢となりました。

さらに、豆腐という日本独自の伝統的な素材に基づくブランドイメージもあり、
ナチュラルでヘルシーな印象が消費者の健康志向にマッチしたことも、
競争優位性に繋がっています。

豆腐バー成功の背景にある要因
STP分析を通してみると、豆腐バーの成功は単なる商品特性の良さだけでなく、
消費者の変化する価値観とライフスタイルにしっかりとフィットした
戦略の成果であることが見えてきます。

とくに、健康志向が進み、手軽さを求める消費者層に対する正確なターゲティングが重要でした。
また、豆腐という親しみやすく、栄養価が高い素材を利用することで、
従来のスナック菓子とは異なる健康的かつ機能性の高いスナック
としての差別化を実現しました。

加えて、プロモーション面では、
パッケージデザインの工夫や栄養成分の明確な表示など、
消費者が一目で健康に良いとわかる演出も成功の一因です。

最初に気が付いて欲しい点は、タンパク質をとりたい需要が固まっているけど
豆腐の購買ニーズは下がっているという点です。

このGAPがSTP分析の第一歩となります。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。