累計200万ダウンロードの体調管理アプリから買える場所へ|ユニ・チャーム「ソフィBe マーケット」に学ぶ顧客データ活用

顧客データ活用とは|累計200万ダウンロードの体調管理アプリから、そのまま買える場所へ。ユニ・チャーム「ソフィBe マーケット」に学ぶ、記録を預かってから売る設計

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

顧客データ活用とは、お預かりした情報をご案内に生かすことです。
たとえば、好みや困りごとに合わせた商品の提案が入ります。

実は、ある大手メーカーが記録から買える場所をつくりました。
そこで、今日はその発表と記事を一緒に読みます。

まず、私の考えを先にお伝えします。
顧客データ活用は、記録を預かる場所から始まると考えます。

つまり、顧客データ活用は売り込むことだけではないと考えます。
そう考えると、集める順番も聞き方も変わってきます。

体調管理アプリとつながった顧客データ活用の場所

まず、取り上げるのはユニ・チャームです。
そして、場所の名前は「ソフィBe マーケット」です。

これは、体調管理アプリと連携した通販の場所です。
この話は、日本ネット経済新聞が10月18日に報じました。

『ソフィBe』アプリのパーソナルデータをもとに、一人ひとりに合ったセルフケア商品やサービスを提案するECプラットフォーム『ソフィBe マーケット』を2026年9月9日に開始。
出典:ユニ・チャーム株式会社 ニュースリリース(2026年9月9日・要旨)

なお、アプリは生理周期のほか体の不調も記録できます。
さらに、イライラなど心の状態も書き留められます。

アプリは累計200万ダウンロード

次に、規模を表す数字を見ます。
それは、アプリのダウンロード数です。

累計200万ダウンロードを突破した『ソフィBe』の日常利用を通じて、セルフケア商品の提案から購入までをサポートする。
出典:同リリース(要旨)

ただし、200万はマーケットの数字ではありません。
そして、確認できた範囲では売上は示されていません。

したがって、今日は売上の話としては読みません。
むしろ、売る場所をつくる順番の話として読みます。

女性の約80%が感じる「なんとなく不調」

では、なぜこの場所をつくったのでしょうか。
実は、リリースは同社の調査を背景に挙げています。

「なんとなく不調」を感じる女性は約80%。
その「なんとなく不調」に対して「どう対策してよいかわからない」と答えた方は49.7%、「不調が起きるのは仕方がない」と諦めている方は33.8%。
出典:同リリース(要旨)

なお、調査の人数や時期は本文に書かれていません。
つまり、対策が分からないと答えた方が半数近くいるのです。

気づく、選ぶ、購入する、続ける

さらに、仕組みは4つの段階で示されています。
まず、毎日の記録で体調の変化に気づけるようにします。

次に、記録をもとに商品やサービスを提案します。
しかも、自社の商品に加えて他社の商品も並べます。

そして、アプリと同じIDでログインして購入できます。
最後の「続ける」は、今後の提供予定とされています。

成熟した市場で始めた顧客データ活用

そして、記事は広報の方の説明も伝えています。
それは、同じ商品を買い続ける人が多い市場だという点です。

だからこそ、新しい商品を出し続けるのだそうです。
また、不調に気づいていない方にも選択肢を届けたいそうです。

さらに、同社は定期購入の導入も検討しているそうです。
加えて、たまった相談や購買のデータを商品開発に生かす方針です。

つまり、顧客データ活用は売る場面だけの話ではありません。
むしろ、次の商品をつくる場面にもつなげる方針です。

なぜ、顧客データ活用の順番に目を向けるのか

ここからは、私の読み方です。
まず、確認できた範囲では売上は示されていません。

そのため、アプリを作れば売れるとは考えません。
しかも、200万ダウンロードのアプリは大企業ならではです。

そのうえで、気になったことがあります。
それは、売る場所より先に記録の場所があったことです。

なぜなら、お客様は売り込まれるために記録していないからです。
むしろ、自分の体のことを知りたくて書き留めています。

だからこそ、その記録に答える提案は届きやすいのかもしれません。
私は、そう読みました。

手順1 自分のために書き留める場所を決める

まず、ここからの手順は私からのご提案です。
そして、お客様が書き留めたくなる場所を1つ決めます。

たとえば、LINEで月に1問だけ肌の調子をうかがいます。
あるいは、同梱の1枚に使い始めた日を書く欄を置きます。

手順2 顧客データ活用の項目は困りごとから

次に、何を記録していただくかを決めます。
このとき、基準は売りたい商品ではありません。

むしろ、お客様が困っていることを出発点にします。
そして、項目は多くても3つまでに絞ります。

たとえば、「どう対策してよいかわからない」は49.7%でした。
こうした困りごとこそ、顧客データ活用の出発点になります。

手順3 記録から提案までを1回でつなぐ

さらに、記録と提案のあいだの手間を減らします。
たとえば、お返事に商品ページを1本だけ添えます。

なぜなら、何本も並べると選ぶ手間が戻るからです。
また、同社も同じIDで提案と購入をつないでいました。

手順4 自社の商品だけで答えようとしない

そして、答え方の幅を持っておきます。
たとえば、合う商品がない時期もあるはずです。

実際、同社も厳選した他社の商品やサービスを並べていました。
つまり、自社の棚だけで答えを完結させていないのです。

そのときは、選び方だけをお伝えしても構いません。
なぜなら、それも次に記録していただく理由になるからです。

手順5 顧客データ活用に振り返りを置く

最後に、「使ってみてどうでしたか」を1問うかがいます。
つまり、同社が今後提供予定の「続ける」を小さく先に置きます。

そして、何のために使うかを必ず示しておきます。
また、扱いに迷うときは専門家にご確認ください。

売り込む直線から、記録がめぐる同心円へ

ここからは、私の読み方です。
まず、直線は集めた情報で売ったところで止まります。

そのため、記録は売るための材料として扱われがちです。
ですから、お客様は記録をためらうかもしれません。

これに対して、同心円は記録と提案がめぐります。
すなわち、答えるたびに次の記録が生まれます。

だからこそ、顧客データ活用は預かりものだと考えます。
私は、そう読みました。

ここは、私からのご提案です。
記録を、売り込みの材料ではなく預かりものとして扱ってください。

そして、その繰り返しが100日ファン化計画と重なると考えます。
つまり、記録に答えるたびに関係が育っていきます。

まとめ|顧客データ活用は記録を預かることから

では、今日の要点をまとめます。
ユニ・チャームは、記録のアプリから買える場所をつくりました。

ただし、200万はアプリのダウンロード数です。
そして、ここからの手順は私からのご提案です。

まず、自分のために書き留める場所を1つ決めます。
次に、項目を困りごとから3つまで選びます。

さらに、記録から提案までを1回でつなぎます。
そして、自社の商品だけで答えようとしません。

また、使ってみてどうだったかを1問うかがいます。
こうして、顧客データ活用は預かりものに変わります。

1人の熱中が、100人の推し活を生む。
今日は、お客様が書き留めたいことを1つ書いてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。