お客様の声を、商品開発の第一工程に移す

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

顧客の声は、すでに十分に集まっているはずです。

それなのに、商品に反映されている実感はないと思います。

まず、原因を申し上げます。

足りないのは量ではありません。

声が入ってくる工程の位置が違うのです。

つまり、集め方ではなく置き場所の問題です。

そこで今日は、その位置を変える話をします。

ただし、アンケートを増やす必要はありません。

前提|顧客の声が、最終確認に使われている

多くの会社では、顧客の声は最後に登場します。

まず企画が決まり、次に試作ができます。

そして、できあがってから「感想をうかがう」段になります。

ところが、その時点ではもう変えられません。

なぜなら、金型も原料も発注済みだからです。

したがって、声は確認の材料にしかなりません。

つまり、聞いてはいるが、使ってはいないのです。

前提|顧客の声を第一工程に移すと、何が変わるか

一方、声を最初に置くと順番が逆になります。

まず、直近の自由記述を100件読みます。

次に、繰り返し出てくる言葉を3つ抜き出します。

そのうえで、その3つを満たす企画だけを立てます。

このように、企画の入口が声になります。

だから、後から「思っていたのと違う」が起きにくくなります。

なお、100件が多ければ30件で構いません。

むしろ、読む人が決まっていることのほうが大事です。

事例|「売ってから、つくる」とはこの順番のこと

私は『売ってから、つくる!ミニマム通販バイブル』を書きました。

版元はstandardsで、2024年2月21日の刊行です。

同書では、商品をつくって売るのではなく、売ってからつくる順番を提案しています(※要旨)。

つまり、先に相手と関係があり、その声から次の商品が生まれます。

この順番なら、在庫リスクも小さくなります。

さらに、発売時点ですでに買う理由を持つ方がいます。

なぜなら、その方の言葉から生まれた商品だからです。

事例|20年の現場で、いちばん多かった断絶

私は20年以上、通販の事業会社で実務を続けてきました。

年商600億円規模の通販企業で、社員として現場に立ってきました。

さらに、ゼロイチから11の事業を立ち上げています。

その中で、いちばん多かったのは部署の断絶です。

具体的には、声を集めるのはコールセンター、つくるのは商品部でした。

しかも、両者が同じ資料を読む場が月に一度もありません。

そのため、声は集計されて「満足度○%」に丸められます。

要するに、原文が届かないのです。

前提|原文のまま渡す、という一手

そこで、集計をやめてみてください。

たとえば、月に一度、自由記述の原文を10件だけ回覧します。

このとき、良い声と悪い声を半々にします。

さらに、書いた方の購入回数を添えます。

すると、10回買った方の一言だけで会議が動きます。

だから、分析より先に回覧を始めてください。

前提|悪い声こそ、先に読む

なお、読む順番にもコツがあります。

まず、良い声ではなく悪い声から読んでください。

なぜなら、良い声には改善の手がかりが少ないからです。

一方、悪い声には、直せる場所が具体的に書かれています。

しかも、書いてくださった方は、まだ関係を切っていません。

つまり、言うだけの労力を払ってくださったということです。

だから、悪い声を書いた方こそ、次の優良顧客になり得ます。

まとめ|顧客の声を確かめる3つの問い

そこで、いまの自社を測ってみてください。

問1. 直近の自由記述を、原文のまま読んだ人は社内に何人いますか。

問2. いま進んでいる商品企画は、どの声から始まりましたか。

問3. 声を書いてくださった方に、その後の変化は伝わっていますか。

3つとも答えられるなら、声はすでに循環しています。

一方、1つでも詰まったなら、集めた声は倉庫に眠っています。

まとめ|今日の一手

今日やることは、ひとつだけです。

直近のアンケート自由記述を10件、印刷して机に置いてください。

そして、繰り返し出てくる言葉を1つだけ丸で囲んでください。

その言葉が、次の企画の入口です。

関連記事:熱狂的なファンの見つけ方/ファンマーケティングとは

まとめ|次の段階へ

ここから先は、声を書いてくださった方を、どう関係者に変えるかの設計です。

もっとも、進め方は商品カテゴリと購入頻度で変わります。

自社がいまどの段階にいるのかを、まず確かめてみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。