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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
送客導線とは、集める場所と売る場所を分ける設計です。
まず、身近な例からお話しします。
売り場を持っている会社ほど、その場で売りたくなります。
なぜなら、目の前にお客様がいらっしゃるからです。
ところが、その常識を手放した会社があります。
しかも、手放したほうが早く売り切れました。
そこには、送客導線という順番がありました。
つまり、売る前にすることが決まっています。
今日は、送客導線を5つの手順でお伝えします。
まず、実際に起きた数字から見ていきます。
送客導線とは何か、いま何が起きているのか
日本航空が、機内販売のかたちを変えました。
まず、事実から確認します。
つまり、対面販売を終了しました。
2026年3月1日より、国内線の機内販売を「おうちで機内販売」へ一本化
出典:日本航空 プレスリリース「機内販売をデジタルへ全面刷新」(2026年2月20日発表)
行き先は「おうちで機内販売」というデジタルの窓口です。
そのうえで、国際線にもデジタルを導入しています。
では、機内では何を渡すのでしょうか。
実は、商品ではありませんでした。
渡しているのは、IDです。
搭乗中に、機内Wi-Fiで登録していただきます。
購入できるのは、登録日を含む3日間だけです。
また、配送は日本国内に限られます。
ご搭乗のお客さま限定の商品は、送料が無料です。
したがって、買っていただく場所は自宅になります。
搭乗中に機内Wi-Fiで専用ID・パスワードを登録し、登録日を含む3日間だけ購入できる
出典:JAL Mall「おうちで機内販売 ご利用の流れ」(公式ページ)
これが送客導線の原型です。
集める場所と売る場所が、はっきり分かれています。
ここで、送客導線の定義をはっきりさせます。
集める場所と売る場所を、分ける設計のことです。
多くの会社は、この2つを同じ場所に置いています。
だからこそ、売れたあとに名前が残りません。
手順1|送客導線は、その場売りをやめることから始まる
まず、いちばん濃い接点を思い浮かべてください。
店頭、展示会、セミナーの最後です。
そこで私たちは、つい売ろうとします。
しかし、その場で売ろうとするほど何も残りません。
なぜなら、誰が買ったのか分からないからです。
その結果、次のご案内が出せなくなります。
そこで、一度だけ売るのをやめてみます。
代わりに、お名前を教えていただきます。
売上が消えるわけではありません。
むしろ、売上の発生を数日うしろへずらすだけです。
手順2|行き先を、1本だけ渡す
次に、渡すものを決めます。
渡すのは商品ではなく、行き先です。
URLは1つに絞ってください。
2つ渡した時点で、どちらも見られなくなります。
実際、JALの行き先も1本でした。
つまり、自社のECだけに集めています。
ちなみに、QRコードも1つで十分です。
選ばせないことが、いちばんの親切になります。
また、その1本は自社の資産にしてください。
モールに送ると、名簿は手元に残りません。
送客導線では、行き先の数が成果を決めます。
したがって、迷わせない設計が先になります。
手順3|買える期間に、期限をつける
さらに、買える期間を決めます。
JALは、登録日を含む3日間でした。
3日で十分です。
なぜなら、期限のない案内は後回しになるからです。
明日も読めるものは、明日も読まれません。
ただし、理由のない期限は逆効果になります。
JALの3日間は、搭乗という事実に基づいています。
したがって、説明できる期限になっています。
煽りと期限は、別ものです。
そこを混同すると、信頼のほうが先に減ります。
期限は、購入の速度を決める部品です。
なお、期限は商品ではなく手続きに付けます。
手順4|売る前に、すでに人が集まる場所で語る
そのうえで、語る場所を用意します。
ここが抜けている会社が、いちばん多いのです。
JALには、サブチャンネルがありました。
YouTubeチャンネル「JAL、サブチャンネルはじめました。」登録者47万8000人/機内販売を紹介した動画は33万回再生
出典:日本ネット経済新聞「日本航空、YouTubeの人気チャンネルを物販に活用 CA考案トラベルバッグは完売」(2026年9月7日)
機内販売を紹介した動画は、33万回再生されました。
その結果、予定より早く在庫が尽きています。
CA考案のトラベルバッグは、2カ月で売る計画でした。
実際には、約5週間で完売しています。
CAが考案したトラベルバッグは、2カ月かけて売り切る予定で生産したが、約5週間で売り切れた
出典:同上/ライフコマース事業部 企画グループ 主任 大脇拓己氏
注目したいのは、動画では売っていない点です。
つまり、語る場所と売る場所が別になっています。
一方、あなたの会社にも語る場所はあります。
メルマガ、LINE、動画、コミュニティです。
人数は関係ありません。
100人でも、順番が正しければ動きます。
語る場所がないと、送客導線は動きません。
なぜなら、運ぶ前の助走がないからです。
手順5|届いた翌日から、次の接点を置く
最後に、届いたあとの設計です。
商品が届いた日が、関係の始まりになります。
到着の翌日、7日目、30日目に接点を置きます。
3回だけでかまいません。
そこでは、売らないでください。
使い方と、ご感想だけをうかがいます。
そこから、100日ファン化計画が動き出します。
つまり、次の購入が広告費なしで起きます。
ここまでが、送客導線の5手順です。
なお、順番を入れ替えると効果は落ちます。
届いたあとの接点まで含めて、送客導線です。
つまり、買われた時点では終わっていません。
数字で見る、送客導線のいま
ここで、数字を整理します。
すべて、出典のある実測値です。
国内線の一本化は、2026年3月1日でした。
また、購入できる期間は3日間です。
サブチャンネルの登録者は、47万8000人です。
さらに、紹介動画は33万回再生されました。
トラベルバッグは、2カ月の計画で生産されています。
ところが、約5週間で売り切れました。
数字が示しているのは、売り方ではありません。
示しているのは、順番のほうです。
また、対面販売の終了は縮小ではありません。
むしろ、売り場を1本に集める判断でした。
ベルトコンベア理論から見た、送客導線
私はこれを、ベルトコンベア理論とお伝えしています。
1人の熱中者が、100人の推し活を生む構造です。
直線ファネルは、集めて売って終わります。
そのため、入口を毎回買い直すことになります。
一方、同心円ファネルは違います。
集めた人を名簿に入れ、語り、運びます。
入口が変わっても、順番の話は変わりません。
JALがしているのは、まさに同心円です。
機内で名簿に入り、動画で語り、ご自宅に届きます。
売り場を捨てたのではありません。
売り場を、関係の中へ移しただけです。
送客導線は、この同心円の入口にあたります。
そのため、1本つくると全体が回り始めます。
まとめ|送客導線の次にくる100日
今日お伝えしたことは、1つです。
いちばん濃い接点で、売るのを一度やめてみてください。
代わりに、行き先を1本だけ渡します。
そのうえで、期限を切り、語ってから運びます。
順番を変えるだけで、同じ商品が早く売れます。
在庫が減ったからではありません。
買っていただく前に、もう関係ができていたからです。
そして、その関係は名簿の中に残ります。
送客導線は、道具ではなく順番です。
ですから、今日からでも試せます。
まずは、いちばん濃い接点を1つ書き出してみてください。
そこから、100日の設計が始まります。
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