TENTIAL 82.9%増収の決算から学ぶ通販のファン化設計

TENTIAL 82.9%増収の決算から学ぶ通販のファン化設計

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

既存顧客の売上を伸ばす方法を、TENTIALの第3四半期決算から解説します。
82.9%増収をけん引したのは新規ではなく既存顧客の積み上げでした。

寝具構成比10%突破に見るクロスセル設計と、
小さな通販が既存顧客のLTVを伸ばす実務手順をファネル設計士が整理します。

「売上を伸ばすには、まず新規客を増やさないと」
そう思い込んでいる通販事業者は、とても多いです。

しかし、最新の決算報道が示すのは逆の景色でした。
増収の主役は、すでに買ってくれた既存顧客だったのです。

本記事では、TENTIALの決算を素材に、既存顧客の売上を伸ばす設計を解説します。

TENTIALの第3四半期決算をファクトで確認する

2026年7月30日、日本ネット経済新聞が決算を報じました。

コンディショニングブランド「TENTIAL(テンシャル)」を展開するTENTIALの2025年9月ー2026年5月期(第3四半期)は、245億6600万円だった。

2025年9月ー2026年5月期の売り上げは、前年同期間比で82.9%の増収となった。

純第3四半期(2026年3ー5月期)のECの売り上げ比率は68.4%だった。

出典:日本ネット経済新聞「TENTIAL、第3四半期の売上は前年同期間比で82.9%増収 自社ECが増収をけん引」(永井愛理記者・2026年7月30日公開)/
https://netkeizai.com/articles/detail/19364

売上245億6600万円、前年同期間比82.9%増。
EC売上比率は68.4%と、ECが主戦場です。

なお、同社は2025年8月期から決算日を1月31日から8月31日に変更しています。
そして、増収の中身について、報道はこう伝えています。

自社EC事業においては、新規顧客数が順調に推移。それを上回る勢いで既存顧客の売り上げの積み上げが進んでいるという。

出典:日本ネット経済新聞「TENTIAL、第3四半期の売上は前年同期間比で82.9%増収 自社ECが増収をけん引」(永井愛理記者・2026年7月30日公開)/
https://netkeizai.com/articles/detail/19364

新規顧客より速く、既存顧客の売り上げが積み上がる。
この構造こそが、増収の正体です。

新規偏重の通販が陥る「穴の空いたバケツ」

なぜ、既存顧客の積み上げがこれほど重要なのでしょうか。
理由は、新規獲得コストの高騰にあります。

CPAが上がる中で新規だけを追うのは、穴の空いたバケツに水を注ぐ行為です。
入れても入れても、リピートがなければ水位は上がりません。

一方、既存顧客の売り上げは、広告費をほとんど使わずに積み上がります。
TENTIALの粗利率は72.9%と、安定した水準で推移していると報じられました。

高い粗利は、顧客との関係を育てる原資になります。
さらに、報道はオフラインへの波及にも触れています。

前年同期間比で見ると、直営店舗・卸の成長率が高かったという。認知率の継続的な高まりによってオフラインにおける売り上げも拡大したとしている。

出典:日本ネット経済新聞「TENTIAL、第3四半期の売上は前年同期間比で82.9%増収 自社ECが増収をけん引」(永井愛理記者・2026年7月30日公開)/
https://netkeizai.com/articles/detail/19364

既存顧客の満足が認知を広げ、認知が店舗と卸の売り上げも押し上げる。
ファンが次の顧客を連れてくる、巻き込み型の循環です。

既存顧客のLTVを伸ばす鍵は「2品目目の器」

既存顧客に、もう一度買ってもらうには何が必要でしょうか。
答えの1つが、次に買うものを用意しておくことです。

事業ポートフォリオにおいては、主力製品であるリカバリーウエア以外のプロダクトの構成比の拡大が進んでおり、寝具の構成比は10%を突破した。

ECの購入単価については、微増傾向にあるとしている。購入単価の高い寝具カテゴリーの比率が高まったことが影響したという。

出典:日本ネット経済新聞「TENTIAL、第3四半期の売上は前年同期間比で82.9%増収 自社ECが増収をけん引」(永井愛理記者・2026年7月30日公開)/
https://netkeizai.com/articles/detail/19364

リカバリーウエアで信頼を得た顧客が、次に寝具を選ぶ。

「休養」という世界観の中で、カテゴリーが自然につながっています。
注目すべきは、購入単価が微増にとどまっている点です。

無理な値上げやアップセルではありません。

信頼の階段を上った顧客が、自ら高単価カテゴリーを選んだ結果です。
既存顧客のLTVは、売り込みの強さではなく設計の丁寧さで決まります。

小さな通販が今日からできる実務チェックリスト

規模が違っても、構造は真似できます。

以下を自社に当てはめてみてください。

直近12か月の売上を、新規と既存に分けて集計する。

  1. 既存顧客の売上比率を毎月のKPIに加える。
  2. 主力商品と同じ世界観で、2品目目の提案を1つ決める。
  3. 購入後30日以内の接点を1つ増やす(使い心地を尋ねるメール等)。
  4. 単価アップは値上げではなく、上位カテゴリーへの納得で設計する。

どれも、明日からの運用に組み込める内容です。

まず1と2の「測る」から始めることをおすすめします。

まとめ|既存顧客は最強の成長エンジン

TENTIALの82.9%増収を支えたのは、既存顧客の積み上げでした。

新規は集める、既存は育てる。
2つのKPIを分けて持ち、2品目目の器と購入後の接点を設計する。

それが、広告費に振り回されない通販の土台になります。
〔既存顧客→優良顧客→ファン〕の階段設計は、関連記事でも解説しています。

リピート設計やLTVの記事とあわせてお読みください。

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・カスタマージャニーが完結されていないのでリピート率が上がらない
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東洋経済オンライン掲載 記事
↓↓↓↓
http://toyokeizai.net/articles/-/125443

ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。