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「売れないを売れるに変身させる」をテーマに
通販プロデュース業と通販専門のコンサルティング業
をメインに支援活動しています。
From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
顧客参加型マーケティングを小さな通販が実践するための入門記事です。
40年目のジャパネットが宣伝会議賞で仕掛けたアイデア募集を題材に、
顧客参加型マーケティングの効果と設計手順を解説します。
巻き込み型の参加企画でファン化とLTVを育てる方法を、明日から動ける形で示します。
広告費をかけずに、お客様との接触回数を増やす方法があります。
お客様に「考えてもらうお題」を渡すことです。
今日は、顧客参加型マーケティングの実例として、
ジャパネットの新しい打ち手を取り上げます。
ジャパネットが仕掛けた顧客参加型マーケティングの中身
2026年7月、通販業界に興味深いニュースが流れました。
ジャパネットホールディングスは第64回「宣伝会議賞」に協賛し、「思わずジャパネットを利用したくなるアイデア」をテーマに課題を出題した。
募集ジャンルはキャッチフレーズ、動画広告、音声広告。グランプリ賞金は100万円で、応募締切は9月30日13時。
出典:ネットショップ担当者フォーラム「「あの通販の会社」ではとどまらない40年目のジャパネット。消費者から「思わず利用したくなるアイデア」を募集」(大嶋喜子[執筆]/2026年7月24日公開)/ https://netshop.impress.co.jp/n/2026/07/24/16451
テレビ通販の巨人が、広告のアイデアを消費者に委ねる。
この構図そのものが、顧客参加型マーケティングの生きた教材です。
あなたの店では、お客様が企画に関わる入口を用意しているでしょうか。
用意していないなら、お客様はずっと「受け取るだけの人」のままです。
なぜ受け取るだけの顧客は離れてしまうのか
受け取るだけの関係には、構造的な弱点があります。
比較の軸が、価格と便利さしか残らないことです。
同じ商品をより安く届ける店が現れれば、乗り換えは一瞬です。
一方で、企画に参加したお客様は違います。
自分のアイデアが載った同梱チラシを、捨てられる人は少ないのです。
参加の記憶は、価格比較では上書きされません。
ジャパネットの事例が面白いのは、参加の舞台の大きさです。
「宣伝会議賞」は、月刊「宣伝会議」が主催する公募広告賞。1962年の創設以来、「コピーライターの登竜門」とされ、前回は約56万点以上の作品が集まったという。
出典:ネットショップ担当者フォーラム「「あの通販の会社」ではとどまらない40年目のジャパネット。消費者から「思わず利用したくなるアイデア」を募集」(大嶋喜子[執筆]/2026年7月24日公開)/ https://netshop.impress.co.jp/n/2026/07/24/16451
前回は約56万点以上が集まった賞に、通販の課題が並びました。
応募を考える人は、締切の9月30日までジャパネットを観察し続けます。
接触頻度を広告費ではなく、お題の設計で生み出しているわけです。
40年目・過去最高売上の年に問いを投げる意味
背景の数字も確認しておきましょう。
ジャパネットグループは1986年に1店のカメラ店からスタートし、2026年1月16日に創立40周年を迎えた。
2025年12月期連結売上高は2908億円となり、過去最高を記録した。増収率は前期比6.7%増で、金額ベースでは183億円の増収だった。
出典:ネットショップ担当者フォーラム「「あの通販の会社」ではとどまらない40年目のジャパネット。消費者から「思わず利用したくなるアイデア」を募集」(大嶋喜子[執筆]/2026年7月24日公開)/ https://netshop.impress.co.jp/n/2026/07/24/16451
絶好調の年に、あえて「思わず利用したくなるアイデア」を外に問う。
事業がクルーズ旅行や放送局まで広がった今、ブランドの次の顔を顧客と共創する布石だと私は読みます。
好調なときほど、顧客に問いを投げられる会社は強いのです。
小さな通販が顧客参加型マーケティングを始める手順
大がかりな賞は不要です。
次の4ステップで、メールとLINEだけで始められます。
手順1.お題をひとつに絞ります。
「この商品のキャッチコピーを考えてください」が最初の定番です。
手順2.採用特典と掲載場所を明示します。
賞金ではなく、商品プレゼントとお名前入りの同梱チラシ掲載で十分です。
手順3.既存顧客だけに案内します。
新規向けより参加率が高く、優良顧客の発見にもつながります。
手順4.結果を全員に報告します。
落選した方も「選考に関わった人」として、次の企画の観客になってくれます。
この4つを回すだけで、参加企画は接触頻度と愛着を同時に生みます。
参加者のリピート率やLTVを非参加者と比べれば、効果も数字で確認できます。
顧客参加型マーケティングでつまずく3つの失敗パターン
一方で、参加企画には典型的な失敗もあります。
先回りして知っておきましょう。
失敗1つ目は、お題が広すぎることです。
「ご意見をお聞かせください」では、お客様は何も書けません。
商品をひとつに絞り、考える範囲を狭くするほど参加は増えます。
失敗2つ目は、結果報告を省略することです。
応募したのに音沙汰がない体験は、参加前より信頼を下げます。
採用発表と御礼は、必ず全参加者に届けてください。
失敗3つ目は、1回で終わらせることです。
参加企画は単発のキャンペーンではなく、季節ごとの定例行事に育てるものです。
回を重ねるほど常連参加者が生まれ、その常連こそがファンの原石になります。
ジャパネットの募集も、締切まで2か月以上の期間が設計されています。
考える時間をたっぷり渡すことも、巻き込み型の大切な要素なのです。
まとめ|顧客を企画者に変えた店から、ファンは生まれる
顧客参加型マーケティングの本質は、豪華な企画ではありません。
お客様に「考えてもらう時間」を渡すことです。
ジャパネットは40年目に、その時間を全国規模で設計しました。
小さな通販は、明日のメール1通から同じ構造を作れます。
参加企画は、広告費ゼロで始められる数少ないファン化施策です。
まずは既存顧客100名への案内から、小さく試してみてください。
売る前に、巻き込む。
その順番こそが、ファン化への最短路です。
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