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「売れないを売れるに変身させる」をテーマに
通販プロデュース業と通販専門のコンサルティング業
をメインに支援活動しています。
From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
顧客教育を軸に、ファンケルの親子向け講座を分解しました。
会場31組に対しオンライン567組という到達差、
17組から始まった初期規模、測定と比較で納得をつくる中身まで、
原典を確認したうえで整理しています。
広告依存から抜け出したい通販・D2C事業者に向けた、
学びの場のつくり方の実務手順です。
商品を売らない日を、あえて年に数回つくる。
その日は、お客さまに知識と体験だけを渡す。
一見すると遠回りに思えるこのやり方が、いま通販とD2Cの現場で効いています。
本記事では、顧客教育という言葉でこの手法を整理し、自社に落とす手順までご案内します。
1. 顧客教育が必要になっている理由
はじめに、現場でよく起きている状況を確認します。
広告を出す。
初回購入は取れる。
けれども2回目が来ない。
このとき私たちは、オファーの強さを疑いがちです。
しかし本当の詰まりは、もっと手前にあります。
お客さまが、その商品を使う理由を自分の言葉で持っていないのです。
理由のない購入は、値引きの一種にすぎません。
そこで登場するのが、顧客教育という工程です。
ファンケルの直近の取り組みが、その形をよく示しています。
ファンケルは、2026年7月24日と25日の2日間、小学4~6年生とその保護者を対象とした「キッズスキンケア&紫外線対策講座」を開催した。
会場となったファンケル銀座スクエアには31組65人が来場し、オンラインでは全国から567組が参加した。
会場とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式での開催は同社として初めてとなる。
出典:日本ネット経済新聞「ファンケル、親子向け「キッズスキンケア&紫外線対策講座」を初のハイブリッド開催 全国から約600組が参加」/
https://netkeizai.com/articles/detail/19538
31組と567組。この差が、ハイブリッド開催の価値そのものです。
会場の座席数は、そのまま顧客教育の上限になります。
オンラインを足せば、その上限が外れます。
2. 学びの場は、積み上げでしか育たない
次に、この講座がどこから来たのかを確認します。
単発の思いつきではありませんでした。
ファンケルは、2021年4月から、神奈川県を中心とした地域の子どもたちに向けて「ファンケルSDGs講座」をスタート。
キッズスキンケア講座は、”子どものうちから正しいスキンケア習慣を身につけることで、将来にわたり健やかなお肌を保つお手伝いをしたい”という想いから、2024年12月にスタートしています。
出典:FANCL CLIP「夏休み!親子向けキッズスキンケア講座」/
https://www.fancl.co.jp/clip/sdgs/2508-02/index.html
2021年に地域講座として種をまいています。
2024年末に、子ども向けへ枝分かれしています。
そして2026年、初のハイブリッド開催に至りました。
顧客教育は、単発の企画ではなく積み上げの資産です。
しかも、その積み上げは小さく始まっていました。
2025年7月28日(月)・8月1日(金)は、ファンケル飯島社屋にて、親子向けキッズスキンケア講座、キリンの免疫講座、ファンケルヒストリーミュージアムの見学を行うツアーを開催しました。
暑い中、2日間で親子17組・合計37人に参加いただき、ツアーは大変盛り上がりました。
出典:FANCL CLIP「夏休み!親子向けキッズスキンケア講座」/
https://www.fancl.co.jp/clip/sdgs/2508-02/index.html
17組です。
同じ2025年、横浜市中区との共催では合計71名が参加したと記されています。
つまり、数十人規模の実施を重ねた先に、全国600組があるということです。
大企業だからできた話ではありません。
順番の話です。
3. 中身は「説明」ではなく「測定」と「比較」
続いて、講座の中身を見ていきます。ここに、顧客教育の技術が詰まっています。
前半では、講師が自作した「肌のターンオーバー模型」を用いて肌の役割や仕組みを説明。
会場では肌の水分・油分量を測定する実習が行われ、乾燥肌や内部乾燥肌の子どもが多いことが数値で示された。
オンラインでは顔の半分だけジェルミルクを塗る「左右比較実験」を実施し、塗った側のしっとり感の違いを体験した参加者が多かった。
出典:日本ネット経済新聞「ファンケル、親子向け「キッズスキンケア&紫外線対策講座」を初のハイブリッド開催 全国から約600組が参加」/
https://netkeizai.com/articles/detail/19538
説明ではなく、測定です。主張ではなく、比較です。
自分の肌の数値を見た子どもは、乾燥を他人事にできなくなります。
顔の左右で手ざわりが違えば、保湿の意味を体で理解します。
納得は、渡されるものではなく、自分で見つけるものだからです。
この構造は、化粧品以外でも使えます。
食品なら、原料の違いを味で比べてもらう。
雑貨なら、使用前後の作業時間を実測してもらう。
サービスなら、現状の数値を一緒に測ってみる。
いずれも、体験型イベントとして30分あれば成立します。
4. 反応の変化を、先行指標として追う
そして、成果の測り方です。
顧客教育の効果は、当日の売上には出ません。
だからこそ、追うべき指標が変わります。
2日間のオンライン開催中には5728件のチャットコメントが寄せられ、子どもたちの反応が「知らなかった」「驚いた」といったものから、「毎日スキンケアを続けたい」「自由研究でさらに調べたい」といった前向きな姿勢へと変化したことが確認された。
講座後のアンケートでは、参加した子どもの98.9%が「肌や紫外線への理解が深まった」、99.5%が「スキンケアの大切さが分かった」と回答した。
出典:日本ネット経済新聞「ファンケル、親子向け「キッズスキンケア&紫外線対策講座」を初のハイブリッド開催 全国から約600組が参加」/
https://netkeizai.com/articles/detail/19538
このアンケート数値は、ファンケルの発表として報じられたものです。
第三者検証ではない点は、そのまま申し添えます。
そのうえで大切なのは、数値よりも変化の方向です。
「知らなかった」から「続けたい」へ。
この言葉の変化した件数こそが、ファン化の先行指標になります。
CRMの管理画面には出てきません。
しかし、次の集客コピーの原材料はここから採れます。
5. 今日から動ける一手
最後に、実務の手順をまとめます。
- 自社商品の背景知識を1つだけ選びます。
- その知識を、測定か比較で体感できる形に変換します。
- オンライン30分の無料講座として、既存顧客10名に案内します。
- 参加者の言葉を記録し、次回の告知文にそのまま使います。
- 翌回は参加者に「お連れさま1名まで」の枠を渡します。
5番目が、紹介の入り口になります。
学んで納得した人は、誰かに話したくなるからです。
口コミは、感動よりも理解から生まれます。
なお、参加者リストは広告で買ったリストと質が違います。
自分から学びに来た人は、次も自分から動きます。
拙著『伝説の通販バイブル』で一貫してお伝えしてきたのも、
通販は売る技術の前に信頼を積み上げる商売だ、という考え方でした。
顧客教育は、その信頼を、いちばん静かに積み上げる方法です。
まとめ
顧客教育は、地味な施策です。
けれども、見込み客から顧客へ、顧客からファンへ移す階段としては
いちばん壊れにくい構造をしています。
17組の初回を、翌年の全国600組へ。31組の会場を、567組のオンラインへ。
この積み上げが、広告に依存しない集客基盤になります。
まずは既存顧客10名への30分講座から、はじめてみてください。
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・ネットでスタートしているので紙媒体の同梱物の制作の作り込みが甘い
・カスタマージャニーが完結されていないのでリピート率が上がらない
・CRMにビッグデータ・AIを活用していないので自社の商品を買う事が前提で組んでいる
・広告のみに依存しているので自然検索からの流入がない
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