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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて
顧客参加型商品開発の始め方を、dinosの人気投票企画の一次情報から解説します。
共創マーケティングでファン化とLTVを伸ばし、見込み客を先に集めてから売る通販の実践ステップを、
ファネル設計士がやさしくまとめます
「良い商品なのに、なぜか初速が出ない」通販の現場で、よく聞くお悩みです。
その原因の多くは、商品ではなく「順番」にあります。
作ってから売る順番のままだと、発売日に初めてお客さまと出会うことになります。
今回は、この順番を変える「顧客参加型商品開発」を取り上げます。
事実確認──dinosは「決める権利」をお客さまに渡した
まず、一次情報を確認します。
株式会社dinosは、お客さまの人気投票で寝具のカバーリング新商品のカラーデザインを決める顧客参加型投票企画を実施します。投票期間は2026年5月13日から27日までの2週間です。4色の候補から投票いただき、2パターンを採用して商品化し、12月に販売開始を予定しています。
出典:PR TIMES「お客さまとのコミュニケーションで”好き”をカタチに!dinosがお客さまの人気投票で新商品を決める特別企画を実施」(株式会社dinos)/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001667.000003084.html
注目すべきは、決定権の置き場所です。色を決めるのは、企画会議ではありません。
投票という形で、お客さまに委ねられています。これが顧客参加型商品開発の核心です。
ふつうの通販なら、社内で色を決めて発売します。
dinosは、その決定権をあえてお客さまへ差し出しました。
決める側に回った人は、その商品を「自分の作品」と感じ始めます。
この「自分の作品」という感覚こそ、ファン化の出発点です。
買う理由が、機能や価格から、思い入れへと移っていくからです。
なぜ効くのか──参加は「自分ごと化」を生む
人は、自分が関わったものに愛着を持ちます。投票は、わずか数秒の行動です。
しかし、その一票は「自分が選んだ」という記憶を残します。
発売のお知らせは、その瞬間に自分ごとへと変わります。
これは、割引で一度だけ買ってもらう関係とは質が違います。
参加は、ブランドロイヤルティを一段ずつ積み上げるからです。
dinosは、この企画を周年の物語にも重ねていました。
ブランドメッセージ「わたしの『好き』、みつけた。」を掲げるdinosは、2026年12月に創業55周年を迎えます。長年ご愛顧いただいているお客さまと一緒に”好き”をカタチにしたいとの思いから、投票企画を実施します。
出典:PR TIMES「お客さまとのコミュニケーションで”好き”をカタチに!dinosがお客さまの人気投票で新商品を決める特別企画を実施」(株式会社dinos)/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001667.000003084.html
参加は、購入の前に仕込めるエンゲージメントです。
顧客体験の設計は、カートの前から始められるのです。
買ってから満足させるだけでなく、選ぶ過程から満足を設計する。
この視点を持つと、発売前の2週間が「無風の待機」ではなくなります。
投票期間そのものが、見込み客との対話の時間に変わるのです。
共創の相手──顧客だけでなく、作り手とも組む
dinosの投票には、もうひとつの共創が隠れています。
投票の候補は、思いつきの4色ではありません。
投票いただく4つのカラーデザインは、フランスの「ミュルーズ染織美術館」収蔵柄から選出し作成しました。老舗寝具メーカーの西川株式会社とdinosが共同で企画・開発しています。
出典:PR TIMES「お客さまとのコミュニケーションで”好き”をカタチに!dinosがお客さまの人気投票で新商品を決める特別企画を実施」(株式会社dinos)/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001667.000003084.html
作り手の審美眼で候補を絞り、選ぶ楽しさはお客さまに委ねる。
この役割分担が、投票の質を担保しています。
自由記述ではなく、上質な4択に整えているのです。
共創とは、丸投げではなく、良い問いを設計することでもあります。
ループの設計──投票・商品化・再来訪をつなぐ
顧客参加型商品開発は、単発では終わりません。dinosは、投票の先に楽しみも用意していました。
投票者の中から抽選で、お客さまに投票いただいたカラーデザインのトートバッグ4色を、それぞれ55名様ずつ、合計220名様にプレゼントします。参加条件は設けず、どなたでも参加可能です。
出典:PR TIMES「お客さまとのコミュニケーションで”好き”をカタチに!dinosがお客さまの人気投票で新商品を決める特別企画を実施」(株式会社dinos)/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001667.000003084.html
ここから、共創のループを描けます。
第一に、投票で参加のハードルを下げます。
第二に、集まった声を2色の商品として12月に形にします。
第三に、発売時へ「あなたの一票で生まれました」と伝えます。
この一言が、再来訪とリピートの理由になります。
トートバッグを投票した色にそろえたのも、同じ狙いです。
自分の選択が、手元に届く「証拠」になるからです。
人は、証拠を手にすると、その物語を誰かに話したくなります。
口コミは、こうした小さな誇りから静かに生まれていきます。
コミュニティとは、こうした往復の積み重ねで育ちます。
今日からの一手──「一票のページ」を用意する
大きな投資は不要です。まず、二択の投票ページを1枚だけ作ってみてください。
次の新色でも、次の同梱物でも、テーマは何でもかまいません。
参加条件は外し、間口を広く保ちます。
回答者には、結果発表と小さなお礼を約束します。
拙著『ミニマム通販バイブル』でも主題として整理しているとおり、
小さな通販ほど、売る前に見込み客を集める順番が効きます。
在庫を賭ける前に、声で需要の輪郭を確かめる。
これが「集めてから売る」堅実な入口です。
投票の結果は、そのまま次の販促の材料にもなります。
一番人気だった色は、発売時のメインビジュアルに使えます。
惜しくも選ばれなかった色は、次回の限定色の候補に回せます。
こうして一度の投票が、いくつもの打ち手の種になるのです。
まとめ──通販の勝負は、発売前に始まっている
顧客参加型商品開発は、発売前にファンの声を集める設計です。
見込み客を「決める人」に変え、発売をみんなの物語にします。
一票の設計から、あなたの共創ループを始めてみてください。
発売前の静かな2週間を、ファンと語り合う時間に変えていきましょう。
新規獲得のコストが重くなる時代に、利益を残す通販はどこが違うのでしょうか。
答えのひとつが、売らないCRMという関係づくりの発想にあります。
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・カスタマージャニーが完結されていないのでリピート率が上がらない
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