大丸松坂屋「明日見世インサイト」が「見送られる理由」を見える化|接客の声に学ぶ購買理由の集め方

購買理由とは|「選ばれる理由」と「見送られる理由」を接客の声から見える化。大丸松坂屋「明日見世インサイト」に学ぶ、買わなかったお客様の一言を集める設計

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From:通販プロデューサーの西村公児
自宅の仕事部屋にて

購買理由とは、お客様が商品を選ぶ決め手のことです。
そして、この記事では選ばなかったときの理由も考えます。

実は、その両方を見える化するサービスが始まりました。
そこで、今日はその発表を一緒に読みます。

まず、私の考えを先にお伝えします。
購買理由は、見送った方の一言にも残っていると考えます。

つまり、買った方に聞くだけでは足りないと考えます。
そう考えると、声の集め方も変わってきます。

大丸松坂屋「明日見世インサイト」と購買理由

まず、取り上げるのは大丸松坂屋百貨店の発表です。
そして、名前は「明日見世インサイト」です。

この話は、ネットショップ担当者フォーラムが報じました。
なお、発表は2026年10月15日です。

明日見世は、大丸東京店9階にある体験型のお店です。
また、お試しやカフェ、イベントも楽しめる場所です。

さらに、約3カ月に1回、品ぞろえを入れ替えています。
しかも、300以上のブランドから選んだ品を並べています。

「選ばれる理由」と「見送られる理由」を可視化

店頭に設置したAIカメラで把握する来店・顧客分析と、マーケティングスキルを持つ明日見世のアンバサダー(接客担当)が記録する顧客の反応・声を掛け合わせ、「選ばれる理由」「見送られる理由」、そして伸ばすべき「勝ち筋」と「改善点」を可視化します。
出典:株式会社大丸松坂屋百貨店 プレスリリース(2026年10月15日)

つまり、AIカメラと接客の記録を合わせて購買理由を読む仕組みです。
なお、提供は2026年10月21日から、出品ブランド向けです。

また、結果はダッシュボードで見られるそうです。
さらに、生の顧客の声はCSVで受け取れるとしています。

購買理由は、どこで迷ったかまで見る

次に、目を引いたのは迷いの記録です。
それは、購入の有無だけを見ないという考え方です。

購入有無だけではなく、顧客がどの段階で迷い、購入を見送るのか、またどのような提案や説明が購買意欲を後押しするのか。
出典:同リリース

つまり、背中を押した説明まで記録するということです。
ですから、結果だけでなく手前の迷いも残ります。

ただし、データは参考指標で成果の保証ではないそうです。
なお、これは発表に添えられた注記です。

購買理由がオンラインで見えにくくなっているという背景

では、なぜいま、このサービスなのでしょうか。
実は、発表では開発の背景も説明しています。

生活者が情報収集をAIで完結させるようになり、その購買行動や理由はオンラインでますます見えにくくなっています。
出典:同リリース

そこで、対面の接客でしか得られない声を提供するそうです。
つまり、売場の一次情報をブランドに渡す仕組みです。

なお、オンライン上の推測データではないとしています。
むしろ、実際の売場で記録した声を土台にしています。

小さく確かめる『ミニマム通販バイブル』の考え方

ここで、私の著書の考え方にふれておきます。
それは『売ってから、つくる!ミニマム通販バイブル』です。

この本は、大きく始めず小さく確かめる考え方です。
そして、確かめてから広げていくことを大切にしています。

だから、声を集めるのも小さく始めてよいと考えます。
まずは、目の前のお客様の一言を書き留めるところからです。

なぜ、見送られた理由に目を向けるのか

ここからは、私の読み方です。
まず、同じ仕組みを小さな会社が持てるとは考えていません。

なぜなら、売場とAIカメラと接客のプロがいるからです。
そのうえで、気になったことがあります。

それは、声が手元に残るかどうかの違いです。
実際、買った方の声はご注文やレビューで残ります。

一方、見送った方の声はその場で消えがちです。
しかも、そこに説明の穴が映っているのかもしれません。

だからこそ、購買理由は見送りの一言にも残ると考えます。
私は、そう読みました。

手順1 見送りの一言を書く欄を1つ作る

まず、ここからの手順は私からのご提案です。
そして、見送りの一言を書く欄を1つ作ります。

たとえば、紙のノートでも表計算の1枚でも構いません。
なお、お名前や連絡先はこの表には書きません。

また、書く場面は見送りのお返事に触れたときです。
たとえば、接客のあとやお問い合わせのあとです。

実際、通販でもお電話やメールに見送りの一言があります。
たとえば、ご注文前のご質問やキャンセルのご連絡です。

手順2 書くのは日付・迷った段階・言葉の3つ

次に、書く項目を3つだけに絞ります。
それは、日付と迷った段階とお客様の言葉です。

ただし、お客様の言葉は言い換えずにそのまま書きます。
たとえば、「価格」とまとめずに一言のまま残します。

そうすれば、読み返したときに手が打ちやすくなります。
つまり、生の言葉が購買理由の材料になります。

手順3 買ってくださった方にも決め手を1問

さらに、買ってくださった方にも1問だけ伺います。
それは、「最後の決め手は何でしたか」という問いです。

たとえば、お届けのお礼のご連絡に1行添えます。
そうすれば、選ばれた理由も同じ表に並びます。

手順4 月に1回、2つの購買理由を並べて読む

そして、月に1回、書き留めた一言を並べて読みます。
すると、同じ迷いが何度か出てくることがあります。

それは、説明が足りていない場所の印かもしれません。
一方、決め手の言葉はご案内の最初に置く候補になります。

なお、件数よりも毎月読むことを大切にします。
だから、少ない件数でも同じ迷いが2回出たら候補にします。

手順5 見送られた理由に1つだけ手を打つ

最後に、見送られた理由を1つだけ選んで手を打ちます。
たとえば、商品ページの説明を書き足すことです。

また、直した日付も同じ表に書いておきます。
そうすれば、翌月に迷いが減ったかを確かめられます。

買った人だけを数える直線から、声がめぐる同心円へ

ここからは、私の読み方です。
まず、直線は買った人の数だけを数えます。

そのため、見送った方の一言は残りません。
しかも、同じ迷いで次の方も見送るかもしれません。

これに対して、同心円は見送りの声も次へめぐらせます。
すなわち、教わった穴を埋めて次のお客様を迎えます。

だからこそ、見送った方も関係の中にいると考えます。
私は、そう読みました。

ここは、私からのご提案です。
見送った方を、説明の穴を教えてくださった方として扱ってください。

そして、その繰り返しが100日ファン化計画と重なると考えます。
つまり、次のお客様が同じところでつまずきにくくなると考えます。

まとめ|購買理由は見送った方の一言にも残る

では、今日の要点をまとめます。
大丸松坂屋は「見送られる理由」の見える化を始めました。

ただし、データは参考指標で成果の保証ではありません。
そして、ここからの手順は私からのご提案です。

まず、見送りの一言を書く欄を1つ作ります。
次に、日付と迷った段階とお客様の言葉を書きます。

さらに、買ってくださった方にも決め手を1問伺います。
そして、月に1回、2つの購買理由を並べて読みます。

また、見送られた理由に1つだけ手を打ちます。
こうして、購買理由を自社の言葉で集めていけます。

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今日は、見送りの一言を書く欄を1つ作ってみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社ルーチェ代表取締役   年商600億円の上場企業の通信販売会社 で販売企画から債権回収のまで16年経験。 その後、化粧品メーカーの中核 メンバーとして5年マーケティングに参画。 大手エステ系企業の通販ビジネスのサポート で200%売上アップ。 ニュージーランドのシンボルフルーツ企業の 販促支援でレスポンス率を2倍アップ。 某健康食品会社の事業開発及び通販支援で 新規会員数が2,000名増加など、 通販ビジネスと、売れる商品開発のプロ として誰もが知る有名企業の ヒット商品の誕生に多数関わる。 売れる商品を発掘し、ヒット商品に変える 独自メソッド 「ダイレクト通販マーケティング理論」 を提唱。 中小企業から中堅企業をメインに、 企業に眠る“売れる商品”の発掘を数多く サポートしている。 国内の注目ビジネスモデルや経営者に焦点を 当てたテレビ番組「ビジネスフラッシュ」に出演。 また、著書にはベストセラーとなった、 伝説の通販バイブル(日本経済新聞出版社)がある。